仮想メディアの広告市場を独占する方法

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DXTコンサルティングの
兼安 暁(かねやす・さとる)です。
  
 
 
 
さて、今日のお話は、
 
「仮想メディアの広告市場を独占する方法」
 
というテーマです。
   
   
 
従来の広告事業モデルは、
 
広告代理店が、広告主の知らせたい情報を、
 
効果的なメディアを使い、
 
適切に生活者に届けることでした。
  
  
   
これからの広告事業モデルには、
 
生活者へ情報を届けるメディアに、
 
新たにスマートグラスやスマートスピーカーのような
 
仮想メディアが加わります。
 
 
 
広告代理店は、
 
この「仮想メディア」を抑えない限り、
 
仕事を失います。 
 
 
 
なぜなら、
 
広告主の商品やサービスの情報を
生活者に届けるために、
 
広告主の依頼を受けて、
 
どんなに頻繁かつ広範囲にメディアの枠を
仕入れて販売し、
 
その場にいる生活者の視界に広告を入れようとしても・・・
 
  
スマートグラスを掛けて歩いている
 
生活者の視界には、
 
現実世界にある看板ではなく、
 
その上に仮想情報で上書きされた
 
デジタル看板が表示されてしまいます。
 
 
 
つまり、
 
生活者に広告が届かないことになります。
 
 
 
なお、
 
この仮想メディアが、従来のメディアと違うのは、
 
生活者ひとりずつ異なる情報を
 
表示することができるということです。
 
 
 
生活者のあらゆる情報を元にして、
 
広告効果の高い情報をAIが導きだし、
 
登録されている広告情報の中から
 
選別された情報が
 
生活者に届けられるようになるでしょう。
 
 
 
このような世界が、
 
近い将来にやってくるとして、
 
いまから広告代理店が取るべき行動は何でしょうか? 
 
 
 
そう、仮想メディアを抑えにかかるべきです。
 
  
 
つまり、最終的な理想像は、
 
「仮想メディアを世界的に抑え、
 
世界中の広告はすべて当社を通して生活者に届けられる」
 
ですね。
 
 
 
では、
 
仮想メディアを抑えるにはどうしたら良いでしょうか?
 
 
 
他にもあるかもしれませんが、
 
今日は下記2点を例とします。
 
 
1 みずからが仮想メディアを作り出し、大きなシェアを獲る
 
2 仮想メディアの広告収入を最大限上げるしくみを開発し、
  仮想メディアに利用してもらう(仮想メディア運用エンジン)
 
 
1は、

スマートグラスやスマートスピーカー上で
 
動作する仮想広告メディアアプリを
 
開発することです。
 
 
 
しかし、例えば、
 
スマートスピーカーだと
 
すでにAmazonとGoogleの2社が
 
大きなシェアを持っていますし、
 
両者とも広告販売機能を他社に譲るとは思えません。
 
 
 
一方のスマートグラスは、
 
マイクロソフトとマジックリープ社が
 
市場をリードしていますが、
 
今のところ両者とも入り込む余地はありそうです。
 
 
 
ただ、彼らはすでに潤沢な資金がある可能性があり、
 
資本参加は難しいでしょう。
 
 
 
だとしたら、
 
彼らの商品が将来のシェアNo.1を取り続けられるような
 
有利なポジションに押し上げる「協力」をすることで、
 
将来の広告枠を貰えるかもしれません。
 
 
 
一方、上記市場がまだ黎明期の間は、
 
ハードウェアからOS、
 
それらの上で動作するアプリの3層とも
 
1社が開発する垂直統合型モデルが主流です。
 
 
 
スマートスピーカーは、
 
AmazonもGoogleもそれぞれが
 
ハードウェア、OS、アプリを開発し、
 
提供していますが、
 
スマートグラスについては、
 
マイクロソフトもマジックリープも、
 
アプリ層は他社に開放していくと思います。
 
 
 
スマートグラスについては、
 
仮想世界が各メーカーによって分断されていては、
 
将来のスペーシャルウェブの世界は普及しないので、
 
いずれは複数のスマートグラスメーカーが
 
共通の仮想世界を創り出す
 
コンソーシアムのようなものを作り出すはずです。
  
 
 
その際に、
 
この上の仮想メディア管理の仕組みを
 
独占することができれば!
 
世界中の仮想メディアの広告市場を独占する
 
ポジションに立つことができるかもしれません。
 
 
 
明日は、
 
「システム開発3つの選択肢」
 
というテーマでお話しします。
 
 
 
 
お楽しみに!
 
DXTコンサルティング
兼安暁(かねやす・さとる)でした。

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