MediView XRは450万ドルを調達し、手術を執刀する外科医に対し、ARでX線ビジョンを提供する拡張現実外科ナビゲーションシステムの開発と実用化を目指すと発表した。
MediViewが手掛けるX線ビジョンはMicrosoft Hololensからアクセスすることができ、癌の切除と生検を行う執刀医を正確かつ安全に導いてくれる。
執刀医はMicrosoft Hololensなどのデバイスを通して、患者の体内における医療器具の位置などを正確に知ることができるという。
ARを用いることで、従来とは異なる手法で癌などの悪性病変へのナビゲーションを行うことができるようになる。
GPSのような位置情報を用い、人体の特定の箇所へガイドすることができる画期的なシステムだ。
まず、システムはCTやMRIスキャンなどの画像やデータに基づき、患者ごとにパーソナライズされた3Dホログラフィックモデルを生成する。
次に超音波画像診断においては、手順全体を通してホログラフィック表示を更新し続けてくれる。
このプロセスを使えば、従来の標準的な手順で用いられる人体に有害なX線の照射を減らすことも可能だ。
さらに2Dデータを三次元に変換できるため、医師がより視覚的に利用しやすくなる。
ARでオーバーレイされたビジュアルは患者に正確にマッピングされるため、外科医は体の周りを自在に旋回できる。
ハンドトラッキングと音声コマンドを使うことで、執刀医はその場で必要な情報にアクセスできるのも便利だ。
MediViewではすでに5人の腫瘍患者にシステムを使用した実験を行っており、さらに9人の患者の試験をスタートさせた。
新たに取得した資本を活用することで、2021年までにFDAの承認を達成することを目指す。
MediViewの技術は2Dデータを使わざるを得ない現在の外科医のミスを減らすことが期待されている。
このシステムを使えば、執刀医は患者の体内の様子をダイレクトかつリアルタイムに視覚的に確認することが可能となる。
腫瘍を3Dデータでチェックでき、あらゆる角度から腫瘍の状態を精査できるのが魅力だ。
腫瘍除去手術は外科医がどれだけ正確に腫瘍を切開できるかに大きく依存しており、癌細胞を取り残さないようにすることが重要である。
患者の周囲を移動しながら腫瘍や臓器などをあらゆる角度から観察し、表示された3Dデータを拡大・回転させることができるため、より最適で厳密な方法で腫瘍の切除などの手術ができることとなる。
ジェスチャーや音声でハンズフリー操作ができるため、手術の手を止めずに自在に利用できるのも便利だ。
ARの教育アプリケーションも用意されている。
実際のデータを実践手順にマッピングすることで、医学生の学習をより実践的に進めることができる。
2,000以上の手術を実践してきたMediViewのCEOでもあるジョンブラックは、リアルタイムのデータの視覚化とデータとの正確な対話を目指しているという。
参考:MediView XR raises $4.5 million to give surgeons X-ray vision with AR.