不動産業界におけるAIの可能性

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世界的な会計・コンサルティンググループであるPwCによると、2030年までにAIが世界のGDPの15兆ドルを超えると推定されている。

最も影響を受ける業界として、不動産業界が挙げられた。
今後10年間で不動産業界においては、AIを利用する数多くの機会が登場するというのだ。
すでに多くの不動産会社で顧客を支援するために仮想現実やスマート契約、仮想アシスタント、音声ボットを導入している。

だが、今後も未実現の機会が無数に残されていると指摘した。
PwC Germanyの不動産責任者であるSusanne Eickermann-Riepeによれば、不動産業界におけるAIの4つの主要な用途は以下の通りだ。

第一に日常業務の自動化が挙げられる。
これにより業務効率が大幅に改善され、顧客との時間により多くの時間を費やすことができるようになる。

第二にスタッフがタスクをより効率的かつ生産的に達成できるようにするための、インテリジェンスの強化ができる。

第三に人間の意思決定を改善してくれる、ビジネスインテリジェンスの拡大も期待できよう。

そして、第四として、AIが完全に自律的に意思決定ができるようになるというものだ。
データ収集が加速化することで、AIアルゴリズムは、より効果的なマーケティング活動にも機能することができるようになる。
たとえば、見込み客がいつ不動産を売却したいと思うか、いつ購入したいと考えるかを予測し、需給に見合った価格を決定できるようになるかもしれない。

AIは2020年以降、不動産業界に大きな変革をもたらしていくであろう。

 

Real Estate Tech Company Count 2018
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AIの初期の落とし穴が特定され、調整や改善がされ続けている現在、不動産業界でAIテクノロジーを活用する時が到来した。
すでに多くの不動産会社が時流に乗って導入を始めている。

たとえば、Tinderのようなプロパティ検索インターフェイスを提供するNobbasをはじめ、クレジットスコアに基づいて顧客をリストと照合するPropertyNestなどが注目に値する。
日常業務に費やす時間を削減し、顧客行動に関するより多くの情報を提供することで、AIは不動産ブローカーや既存企業の投資家にも多くの利益をもたらすであろう。

次の10年間で改善すべき主な問題点としてはデータの可用性やデータの品質の維持や向上、標準化などが挙げられる。
もっとも、データ駆動型の革命が定着するにつれ、これらの課題の多くが重要性を低下させ、解決へと導かれている。
すでに活用されているメタトレンドであるAIツールとSoftware as a Service(SaaS)は、不動産業界はもとより、小売業や金融業、ヘルス産業など幅広い業界において、人間の従業員をはじめ、経営者や起業家にとって最も頼もしいパートナーとなってきているのだ。

AIの普及で人間の仕事が奪われる、職を失うなどと危惧する向きもあるが、むしろAIの普及は人による業務をより効率的で精度を高め、顧客との関係強化に集中できる人間らしい仕事の提供につながるに違いない。

参考:How AI Is Really Going To Change Real Estate In 2020 And Beyond.

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