既存顧客を切り捨てるのは、なぜか?

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DXTコンサルティングの
兼安 暁(かねやす・さとる)です。
 
 
 
 
さて、今日のお話しは、
 
「既存顧客を切り捨てるのは、なぜか?」
 
というテーマです。
 
 
 
既存顧客を切り捨てると行っても、
 
既存顧客に直接
 
「あなたはもうお客様ではありません」
 
というのとは意味が違います。
 
 
 
新サービスを開始するにあたり、
 
「既存事業の顧客にとって不利になる」とか、
 
あるいは「既存事業と競合して、顧客を混乱させる」
 
などの考えを無視するということです。
 
 
 
  
既存事業の商品/サービスを
 
気に入っている顧客に対して配慮しても、
 
新規事業はできません。
 
 
 
また、
 
既存事業の将来にとっても良いことはありません。
 
 
 
これまでの商品/サービスでは
 
満足できていない顧客、
 
これまでの商品/サービスでは
 
解決できない悩みを持っている顧客のために
 
新しい商品/サービスを提供するのが
 
新規事業です。
 
 
 
 
ですから、
 
新規事業の開発に関しては、
 
既存顧客のことを考える必要はありません。
 
 
 
もちろん、既存顧客の中には、
 
既存商品/サービスでは満足できなくても、
  
しかたなく使っていた人も少なくない可能性があります。
 
 
 
満足できていなかったことが
 
潜在的なもので、
 
顧客自身も自覚していないこと
 
だったかもしれません。
 
 
 
 
その場合には、
 
新事業が既存顧客を奪うことになりますが、
 
他社に奪われるよりははるかに良いと思います。
 
 
 
顧客を他社に奪われれば、
 
全ての売上を失ってしまうからです。
 
 
 
例えば、かつて、
 
カメラ用の銀塩フィルム大手だった
 
コダック社の事例があります。
 
 
 
 
コダックは、
 
銀塩フィルムの顧客を
 
メモリカードや
 
クラウド・ストレージのサービスに奪われました。
 
 
 
 
同じく、
 
カメラの顧客もスマートフォンに奪われ、
 
ついには倒産してしまいました。
 
 
 
しかし、デジタル画像の技術を
 
発明したのは実はコダックです。
 
 
 
デジタル化に舵を切らなかった理由は、
 
おそらくは既存事業の売上減少だったでしょう。
 
 
 
同時に、
 
新規事業を進めない理由として、
 
おそらく
  
「顧客はアナログの味にこだわる」とか、
  
「重要顧客であるプロのカメラマンの仕事を奪う」
 
という理由も出てきたと思います。
 
 
 
しかし、既存顧客を優先した結果、
 
デジタル化で得られる新たな顧客層を
 
獲得できませんでした。
 
 
 
 
また、パソコンのOSや
 
ワードやエクセルなど、
 
オフィスソフトの最大手であった
 
マイクロソフトもクラウド化に
 
消極的だったために、
 
Googleに市場の一部を奪われました。
 
 
 
さらに、
 
企業向けのサーバ事業は、
 
Amazonが奪っています。
 
 
 
マイクロソフトは、

企業向けサーバ市場でNo.2を
 
占めていますが、
 
他社に奪われた市場は莫大で
 
大きな痛手と言えます。
 
 
 
 
証券会社でも、
 
既存の大手証券会社が、
 
ネット証券に顧客を奪われています。
 
 
 
その流れは、欧米でも同じです。
 
 
 
決済や送金というジャンルでは、
 
FinTechを活用したネオバンクが
 
急成長しています。
 
 
 
中国では、銀行が
 
WeChatやAlibabaなどに
 
顧客を奪われています。
 
 
 
理由は、銀行に行かなくても、
 
送金や決済がスマートフォンでできる
 
利便性と手数料の安さです。
 
 
 
 
どのケースでも、
 
既存の顧客に気を取られている間に、
 
新たな顧客層を他社に奪われてしいました。
 
 
 
ですから、
  
新規事業を考える場合には、
 
新しいサービスに
 
興味を持ちそうな顧客のことだけを
 
考えて事業をスピーディに組み立てる
 
必要があるのです。
 
 
 
 
明日は、
 
「サービスの品質は低くて良い理由」
 
というテーマでお話しします。
 
 
 
 
お楽しみに!
 
DXTコンサルティング
兼安暁(かねやす・さとる)でした。

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