社内ベンチャー以外の選択肢

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DXTコンサルティングの
兼安 暁(かねやす・さとる)です。
  
 
 
 
さて、今日のお話は、
 
「社内ベンチャー以外の選択肢」
 
というテーマです。
  
  
 
 
これまで、
 
新規事業開発を行うなら、
 
スタートアップと同じような組織をつくって
 
始めるべきだとお伝えしてきました。
 
 
 
しかし、それならば、
 
社内ベンチャーとして同じ企業体の中で行うよりも、
  
いっそうのこと、
 
スタートアップとして行った方が
 
良いのではないか?
 
という疑問が出てきます。
 
 
 
 
今日は、
 
新規事業開発を
 
「社内ベンチャー」と「スタートアップ」の
 
どちらで行うのが良いかについて、
 
考えていきます。
 
 
 
 
新規事業開発を行う組織を、
 
社内ベンチャーにするのか、
 
スタートアップにするのかを検討する上で、
 
もっとも重要なポイントは、
 
必ず新規事業を開発するチームが経験すると
 
言われている
 
「死の谷」
 
を越えなくてはいけないということです。
  
  
  
「死の谷(valley of death )」とは、
 
事業や研究開発等において、
 
次の段階に発展しない状況や
 
その難関・障壁となっている
 
事柄全般を指します。 
  
  
  
例えば、 
 
新規事業において、
 
多額の資金が必要になり、
 
その資金が賄えず、
 
次の段階に進めなかったり、
 
断念さざるえない状況のことをいいます。
 
 
 
この関門を乗り越えられずに終わる
 
プロジェクトも多く、
 
そこで死んでしまうことから、
 
死の谷と呼ばれています。
 
 
 
スタートアップの場合、
 
通常この時期は、
 
エンジェル投資家による
 
わずかな資金だけで
 
乗り越えなくてはなりません。
 
 
 
この時期、変身を遂げて、
 
先進ユーザーからの支持が得れるようになると、
 
ベンチャー・キャピタル(VC)が
 
興味を持ってくれることがあります。
 
 
 
また、提携や買収の話を
 
既存企業に持ち掛けると
 
興味を持つ企業が出てきたりします。
 
 
  
シリコンバレーでは 
 
スタートアップがエンジェル投資家から
 
支援されるシード資金は、
 
1億円に満たないことが多いです。
 
 
 
  
一方で、
 
社内ベンチャーの予算の多くは、
 
そのプロジェクトメンバーなる社員の
 
給与の総額になります。
 
  
  
もし、
 
年収1000万円の社員を
 
6人集めたとしたら・・・、
  
 
社会保険料などの経費率を30%とすると、
 
人件費だけで
 
7800万円は掛かかってしまいます。
 
 
 
その上、 
 
製品・サービスの開発に
 
外部のメンバーの協力を得たり、
 
ベンダーに委託したりする場合も、
 
それなりの費用は掛かかりますので、
 
1億円では済まない可能性があります。
 
 
 
一方で、
 
スタートアップの場合には、
 
人件費は生活できる最低限の金額に抑えられますし、
 
その他の経費や開発委託費も、
 
なるべく自前で行おうとします。
 
 
 
あるいは
 
友人やエンジェル投資家に
 
紹介してもらった人達にお願いして、
 
格安だったり、
 
善意または他の作業とのバーターを
 
することによって
 
無料でやってもらえることもあります。
 
 
 
さらには、スタートアップの場合、
 
プロジェクトメンバーは
 
失敗したら職を失うことになるために、
 
後述するように、
 
いわば背水の陣を敷いているのと同じで、
 
高いモチベーションでがむしゃらに働く傾向にあります。
 
 
 
この傾向は、
 
成功までの時間を短縮することに繋がり、
 
競合よりも早く抜きん出る可能性が
 
高まることになります。
 
 
 
新しい組織が、
 
死の谷を乗り越えるには、
 
社内ベンチャーであっても、
 
スタートアップと同様のパワーが必要となります。
 
   
 
 
明日は、
 
「雇われ体質な社員 vs スキル未熟な社員」
 
というテーマでお話しします。
 
 
 
 
お楽しみに!
 
DXTコンサルティング
兼安暁(かねやす・さとる)でした。

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