ポーター教授「5フォース分析」とは何か?

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DXTコンサルティングの
兼安 暁(かねやす・さとる)です。
  
  
さて、今日のお話は、
 
「ポーター教授「5フォース分析」とは何か?」
 
というテーマです。
 
 
 
企業戦略を考えるにあたり、
 
「社会的変化」をよみ、
  
変化に適応していくことは、
  
非常に重要です。
  
 
  
なぜなら、
 
企業を取り巻く社会環境が
  
変わるということは、
  
企業を取り巻く競争環境が
  
変化するということでもあるからです。
  
  
 
ここで、
 
企業を取り巻く競争環境を整理する際に
 
よく使われる
 
マイケル・ポーター教授が考案した
 
「ファイブ・フォース・モデル分析」を
 
ご紹介しましょう。
 
 
 
このモデル分析は非常に有名ですが、
 
1979年に発表されたものなので、
 
すでに使い古された分析のように
 
思われるかもしれません。
 
  
 
しかし、
 
これからの10年間では、
 
非常に有効な、重要な分析になります。
 
 
  
ファイブ・フォース・モデル分析では、
 
自社を中心に、
 
自社から見た他社による脅威を
 
次の5つにまとめています。
 
 
1 同じ業界内の競合企業との競争
2 供給業者の競争力と交渉力
3 新規参入業者の参入
4 顧客、買い手の交渉力
5 代替サービスの出現と市場争奪
 
 
まず、今日は、
 
自動車メーカーを例にとって、
 
この2つの観点について解説します。
  
 
1 同じ業界内の競合企業との競争
2 供給業者の競争力と交渉力
 
 
 
1 同じ業界内の競合企業:
 
自動車メーカーと同じ業界内の競合企業とは、
 
もちろん自動車メーカーです。
 
 
同じ国産メーカーはもちろん、
 
ダイムラーやBMW、フィアットなどの欧州メーカー、
 
テスラ、GM、フォード、クライスラーの米国メーカー、
 
それ以外にも、

韓国や中国の自動車メーカーもあります。
 
 
これまでは
 
燃費や静粛性、安全性、ブランド価値、価格などが
  
競争の軸でしたが、
 
これからの業界内の競争は、
 
今後はEV(電気自動車)やAV(自動運転車)の技術に
 
移っていくでしょう。
 
 
 
2 供給業者:
 
自動車メーカーにとってのサプライヤーは、
 
ほとんどは部品メーカーになります。
 
 
これら部品メーカの企業が
 
お互いによる合併や提携を模索する動きが
 
活発化しています。
  
 
特に電装系部品メーカーは、
 
EV化やIoTセンサーやAIによる自動運転技術、
 
コネクテッドの通信技術など、
 
これからの自動車の中心的技術となるでしょう。
 
 
そうなると・・・これまでは、
 
自動車メーカーが電装系部品メーカーを
 
選別する立場にありましたが、
 
これからは、
 
これら電装系部品メーカー側が、
 
自社の開発するEVユニットや
 
AI付センサーユニットを
 
どの自動車メーカーに納入するか?を
 
選別する立場に逆転する可能性も出てきます。
 
 
 
また、現状では、
 
EVの車両価格の大部分を占める
 
バッテリーを供給する企業も、
 
これから10年間、
 
大きな役割を演じ続けるでしょう。
 
 
  
なぜなら、
 
1回の充電で実現できる、
 
下記のようなEVに求められる要素は、
 
クルマの性能をすら左右するからです。
  
 
・どのくらいの連続走行に耐えられるか?
・どのくらいの時間で満充電にできるか?
・充電・放電を何回繰り返すと寿命が尽きるのか?
・どのくらい安価に提供できるのか?
・どのくらい生産できるのか?
 
 
さらには、
 
それらの電装部品の中核となる半導体を開発する
 
インテルやエヌビディアのような企業も
 
主導権を握る可能性が出てきました。
 
 
 
自動車メーカーの未来は、
 
組立工程だけを持った
 
家電メーカーのようになってしまいかねませんね。
 
 
 
明日は、
 
「3DプリンターでEV車を自作する時代」
 
というテーマでお話しします。
 
 
 
 
お楽しみに!
 
DXTコンサルティング
兼安暁(かねやす・さとる)でした。

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