現在のUXをデザイン思考で考えても無駄

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DXTコンサルティングの
兼安 暁(かねやす・さとる)です。
  
 
 
 
さて、今日のお話は、
 
「現在のUXをデザイン思考で考えても無駄」
 
というテーマです。
  
  
 
 
DXを考える上でもっとも大切な概念のひとつに、
 
ユーザー・エクスペリエンス(UX)や
 
カスタマー・エクスペリエンス(CX)があります。
 
 
 
かつて需要が供給を上回っていた時代は、
 
企業が何を売っても
 
顧客は買ってくれましたし、
 
顧客は
 
買うだけで満足していました。
  
 
 
企業間の競争が激しくなってくると、
 
顧客は、価格と品質に対して
 
厳しい目を向けるようになりますが、
 
それでも
 
適切な価格と適切な品質があれば
 
商品は売れました。
 
 
 
しかしながら、
 
需要をはるかに上回る供給がある現在、
 
安くて品質が高い商品であっても、
 
顧客は、お金を払ってくれません。
 
 
 
もう、顧客は、
 
モノだけでは満足しなくなってしまいました。
 
 
 
顧客は、
 
お金では買えない体験や、
 
一生忘れない仲間とのしあわせな時間に
 
お金を使うようになりました。
 
 
 
それでも、
 
モノがまったく必要なくなった訳ではありません。
 
 
 
時計やカレンダー、電卓、新聞、
 
辞書・百科事典、地図、手紙、住所録等は、
 
いまだに頻繁に使われていますが、
 
それらは、
 
デジタル化(ソフトウェア化)されて、
 
パソコンに納まっていますね。
 
 
 
さらには、
 
電話と電話帳、カメラ、アルバム、メモ帳、
 
iPodのような持ち運びできる音楽プレイヤー、
 
それにパソコン自体、
 
スマートフォンに吸収されてしまいました。
 
 
 
スマートフォンは、
 
消費者の日常生活のあらゆる体験を便利にしました。
 
 
 
このように
 
お客様や商品の利用者の体験を変えることが
 
UXでありCXです。
 
 
 
そして、
 
これらを検討するのに良く利用されるのが
 
デザイン思考です。
 
 
 
デザイン思考は、
 
満ち足りたお客様に
 
次に何を欲しいと思ってもらえるか?
 
使ってもらえるか?
 
を決めるための手法です。
 
 
 
ターゲットのお客様を観察し、
 
隠れたウォンツやニーズを見つけ出し、
 
プロトタイプを作成して、
 
お客様に試してもらい、
 
その反応を元にプロトタイプを改良し、
 
商品化に繋げていきます。
 
 
 
既存のサービスを改善するのであれば、
 
お客様のサービスの利用の仕方や動機、
 
行動を観察し、
 
より便利な方法を考えることが
 
デザイン思考を用いたUXです。
 
 
 
実際に、スマホアプリのUXを
 
デザイン思考で考えることもあるかと思います。
 
 
 
ここで、
 
「デザイン思考を用いたUX」自体を
 
否定しませんが、
 
残念ながら、それらは
  
短命に終わってしまうでしょう。
 
 
 
何故なら、
 
テクノロジーが変わったら、
 
また新しいUXが現れて、
 
顧客を奪い去っていくからです。
 
 
 
スマホも、
 
あと5年もすれば
 
ARメガネのようなスマートグラスに
 
取って代わられてしまいます。
 
 
 
もちろん、
 
ARメガネが主流になるときには、
 
ARメガネ向けのアプリを開発する前提で、
 
その前に顧客を集めて囲い込むというのであれば、
 
それで良いと思います。
 
 
 
必ずしも、今から
 
マイクロソフトのホロレンズや
 
マジックリープ社のARメガネを使って
 
作る必要はありません。
 
 
 
つまり、
 
大切なのは、
 
未来を見据えて考えることです。
 
 
   
 
明日は、
 
「優れたUXが優れた顧客体験を生み出す」
 
というテーマでお話しします。
 
 
 
 
お楽しみに!
 
DXTコンサルティング
兼安暁(かねやす・さとる)でした。

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