コールセンターの監視や顧客満足度アップにAIを活用

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SaaS(Software-as-a-Service)プラットフォームの多くは、顧客サービスの領域を複雑化させているきらいがある。
だが、一部のSaaS製品では、コールセンターなどカスタマーサービス部門やそのスタッフを支援できるように設計されているものがあることにも注目したい。

1つのケースとして、アメリカのインディアンのスタートアップとY CombinatorによるObserve.aiの開発プロジェクトが挙げられるだろう。
彼らのチームでは、コールセンターのエージェントを監視および指導するAIの開発に対して2,600万ドルのシリーズA資金を調達したと発表している。

Observe.aiは自然言語処理(NLP)を用いることで、人間のエージェントと顧客との間の会話を分析するというAIだ。
Observeのプラットフォームを使用することで、各通話を転写した後、センチメント分析が実行される。
サポートエージェントの言語および行動データとその対応によって顧客が得る満足度との相関性を引き出し、最終的に望ましい顧客満足度を決定することができるのだ。

AIが分析したこれらのデータを用いてトップパフォーマーのベンチマークを行い、チーム全体でベストプラクティスを見つけることができれば、カスタマー部門全体の底上げにつながり、顧客満足度を向上させることができるだろう。

このプロジェクトの成功がもたらされれば、ほかの個別のユースケースにも応用ができると考えられている。
たとえば、ヘルスケア業界での活用が挙げられる。
会話に機密情報が含まれ、法的に保護されている情報を含むヘルスケア業界での顧客や取引先との応対におけるコンプライアンスの監視などができると期待されているのだ。

 

NICE、Verint、Cogito、Gong、Chorus.aiなど多くの企業では、AIに完全に置き換えるのではなく、AIを使用して人間同士の繋がりを改善しようとする企業を支援し、その普及拡大を推し進めている。

日本をはじめ、世界的にも、多くの労働者はAIが人間の仕事を奪い、自分たちが働く場を失い、収入を得る道を閉ざされるのではと懸念している。
現代の雇用市場にAIや業務の自動化が導入されることを恐れる人が多い中、この懸念を解消してくれるのが、人間の仕事に対するAIによる支援技術ではないだろうか。

AIを活用することで、人間のスタッフのソーシャルスキルとプロフェッショナルスキルを強化することができるようになる。
これまで以上に、より良いサービスを提供し、顧客満足度をアップさせることで、個々のスタッフにも自信とやる気が生まれ、コールセンター全体やカスタマーサービス部門全体の活性化につながるだろう。

AIを恐れ、これからの仕事に対してマイナスイメージを持つ人やモチベーションが低下している人も、こうした取り組みを通じて、仕事へのモチベーションが上がっていくことが期待される。

参考:Observe.ai raises $26 million for AI that monitors and coaches call center agents.

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