人間の判断力をサポートするために実施されたネットワークをトレーニング

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デューク大学とMITのリンカーン研究所の研究者チームは、画像認識でニューラルネットワークをトレーニングするための新しい方法を考案した。
鳥の完全な画像でモデルをトレーニングするのではなく、くちばしの形、頭の形、羽の色など各種の鳥の特徴を使ってネットワークをトレーニングする取り組みを行った。

トレーニングを実施した後、アルゴリズムに鳥の新しい画像を提示したところ、トレーニングで蓄積された特定の特徴を検索することで、鳥の種類に関する予測を生成し、判定に伴い累積的に蓄積されたデータを基に最終的な結論を導きだすのだ。

 

近年、ニューラルネットワークの説明と透明性を高める努力が、民間部門と学界の両方で大きな牽引力となり、技術革新に大きく貢献をもたらしている。
中でも、医療画像認識などの重要なアプリケーションの場合、その決定に貢献した機能を実証できるAIは、今日のアルゴリズムに関連して長年解明されていなかったブラックボックス問題の解決にも役立つであろう。

AIエンジニアはニューラルネットワークを設計することで、人間の思考プロセスに似た方法での予測を提供できるようになる。
それを活用することで、ネットワークが誤った予測を行った場合の問題も、より簡単に診断することができるようになるのだ。

そもそも、ニューラルネットワークとは何かといえば、人間の脳における情報処理の仕組みを、コンピューターで実現できるようにした技術だ。
脳の中には多数のニューロン(神経細胞)が存在しており、各ニューロンが他の多数のニューロンから信号を受け取り、別のニューロンへと信号を受け渡している。
この信号の流れを通じて、脳はさまざまな情報処理を行い、神経系統へと命令を下して、人間の体や機能を動かす仕組みになっているのだ。
この情報伝達や情報処理の仕組みをコンピューターの処理技術に当てはめたのが、ニューラルネットワークである。

鳥の種類を当てるトレーニング実験のように、近年話題を集めている機械学習や深層学習(ディープラーニング)の分野での利用が推進されている。
これらの技術がより進化を遂げ、さまざまな分野で応用ができるようになることで、業務効率のアップやより正確な判定や判断ができるようになり、人間の判断ミスや判定の誤りをサポートすることもできるようになるだろう。

選別や判定の精度が上がることは、その結果を利用する人にとっても望ましいことでである。
たとえば、ガン細胞などの症例データから特徴を掴むトレーニングを行うことで、医師の発見ミスや診断のズレが起きないようサポートできるようになり、より精度の高い判断で、ガンの早期発見、早期治療につなげることができる。
仮に判断歴の少ない未熟な医師であっても、最新技術の力を借りることで、高精度な判定ができるようになるかもしれない。
ガンは早期治療が延命や再発予防に重要なカギを握るだけに、AIへの期待も高まっていくことだろう。

参考:Machine vision that sees things more the way we do is easier for us to understand.

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