バーガーキングの「インポシブル・ワッパー」とは?

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DXTコンサルティングの
兼安 暁(かねやす・さとる)です。
 
 
昨日は、
  
「農業分野での最新テクノロジー」
 
というテーマでお話ししました。
 
 
これまで「都市農業」は、
 
地産地消で効率が良いと言われながらも、
 
電気代、水代、培地や
 
水耕栽培用の肥料にかかるコスト、
 
そして膨大な設備投資などが必要となるので、

 
ふつうの畑より、生産コストで優位に立つことは
 
相当難しかったです。
 
 
しかし、

テクノロジーの進歩により、
 
エネルギーが無料になりつつあることや、
 
AIやロボットの導入によって
 
完全自動化も可能になってきたため、
 
 
世界中でまた
 
「都市農業」が注目されはじめていることを
 
お伝えしました。
  
 
 
さて、今日は、
 
都市農業と共に注目されている、
 
細胞農業について、
 
    
「バーガーキングの「インポシブル・ワッパー」とは?」
   
   
というお話です。
 
 
  
細胞農業とは、
 
Lab-Grown Meat(実験室で作られた肉)
 
とも呼ばれています。
  
 
技術的には、
 
医療の分野で研究が進んでいる、
 
幹細胞による臓器の再生の技術を、
 
他の動物に応用したものです。 
 
 
 
つまり、
 
人間の心臓を再生する代わりに、
 
牛の肩ロースを再生するということです。
  

 
細胞農業が実現すると、
 
牛の肩ロースを生産するために必要なことは、
 
採取した牛の幹細胞を

シャーレ(研究室にあるガラスの皿)の中で
 
培養するだけですので、
 
牛を一頭殺す必要はなくなります。
  
  
 
皆さんは、牛肉、豚肉、鶏肉を
 
それぞれ1Kg作るために、
 
家畜のエサとして、
 
どのくらいの穀物が必要かご存知でしょうか?
 
 
 
牛肉1kgには、10 kg
 
豚肉1 kgには、4 kg
 
鶏肉1 kgには、2kg
  
 
 
の穀物が必要とされます。
  
   
 
穀物をこれらの家畜に食べさせるのではなく、
  
人間が食べたら、
 
飢餓問題を大きく改善できます。

 
 また、 畜産環境問題の改善にもつながるでしょう。
 
 
  
 
そんな中、
 
牛肉と見分けることのできない
 
米国で、
 
植物由来の人口肉が発売され、
 
急速に広がっています。
 
 
 
バーガーキングの
 
「インポシブル・ワッパー」をご存知でしょうか?
 
 
 
ベンチャー企業のImpossible Foods社の
 
人口肉(Impossible Burger)を用いた

ハンバーガーです。
 
 
 
ここで使われている肉は、
 
植物由来の遺伝子組み換え酵母を
 
使って肉の味や質を再現した肉です。
 
 
 
バーガーキングによると、
 
顧客だけでなく従業員までもが、
 
従来の牛肉ワッパーと
 
植物由来の人口肉ワッパーを
 
判別できなかったそうです。
  
  
 
本物の牛肉と
 
味もたんぱく質の量も同じで、
 
本物の肉よりも脂肪分が少ない、
 
健康的な植物由来の肉は、
 
 
もしかしたら
 
幹細胞から培養されたリアルな肉や、
 
従来の畜産由来のリアルな肉よりも
 
健康的かもしれません。
 
 
 
いずれにしろ、
 
「細胞農業」の分野のビジネスは、
 
 
飢餓問題や環境問題の解決にも繋がるため、
 
今後急速に変化し、成長していくでしょう。
 
  
  
 
明日は、
     
「誰か教えて!スペースXのビジネス構造」
   
というテーマでお送りします。
    
    
お楽しみに!

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