温暖化で問題となっている山火事を、ドローンを使って防ぐ方法

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近年、地球温暖化が影響し、世界各地で突如として山火事が発生し、広範囲にわたって燃え広がり、手の打ちどころがない状況が問題となっている。
ユタ大学の大気科学者Adam Kochanskiと研究者チームでは、山火事がどのように広がっていくのかや、山火事が気象条件に影響を及ぼすメカニズムを予測するために、新しいデータを集めて予測するコンピューターモデルの改良に取り組んでいる。

では、どのように実験が行われているのだろうか。
まず、森林地域の生息地の復元を目的にしてコントロールされた火災、これは処方された火災や制御された火災と呼ばれることがあるが、まずはこの火災を実験的に起こす。
この火災を多数の赤外線カメラ付きのドローンやレーザースキャン、センサーを使用して画像やデータを収集していく。
研究チームでは、そのデータをもとにして、予測モデルの予測テストを行った。

集められたデータが処理された結果、実験がうまくいけば、山火事が地域の気象条件にどのように影響するかが予測できるようになるといわれている。
そして、研究チームによる「結合火災大気モデル」は、実験的な火災の実際の挙動を著しく予測することに成功した。

 

地球温暖化や環境の変化の影響か、突如として山火事が発生し、消火活動もむなしく、どんどんと燃え広がっていくケースが世界各地で後を絶たない。特に研究チームが予測モデルの開発を進めているアメリカ本土やハワイなどの米国は頻繁に山火事が起こり問題になっている。
人々は消火することもできずに、火が周囲を焼き尽くして、自然と鎮火するのを待つしかないのだ。

先進国であるアメリカでさえ、効果的な消火手段を見出せずに山火事の脅威に震えている。
森林や山だけでなく、人々が生活する住宅街まで広がって燃え尽くすケースも多く、高級住宅街を焼き尽くすケースまで発生した。
2018年11月にアメリカ西部のカリフォルニア州で起こった山火事は、1週間以上にわたって燃え続け、日本の東京都の半分にもあたる面積を焼き尽くしたのだ。
ハリウッドスターが暮らすリゾート地として、世界屈指の超高級住宅街とも呼ばれる地域の邸宅が次々に火の波に飲み込まれていった。
物件価格は平均して7億円とも呼ばれる豪邸が焼き尽くされ、焼失面積はカリフォルニアでは史上最悪の山火事と記録されている。
過去10年間における米国の山火事は毎年16,000から40,000平方キロメートルもの土地を壊滅的な状態にしており、経済的損失は50億米ドルともいわれている。

こうした環境破壊と経済的な損失を防ぐためにも、山火事が手付かずのまま成長し、自然環境を守るために大切な森林やアマゾン、人々の生活拠点を奪わないよう、高精度の予測モデルの開発を急がねばならない。
センサーと自律ドローン、ネットワークを組み合わせ、AI森林火災マッピングに気象条件を組み込むというコンピューターモデルは、山火事が発生して、その勢いを増す前に早期に火災を食い止めることに役立つことが期待されている。

参考:Wildfire science: computer models, drones and laser scanning help fan the flames and prevent widespread devastation.

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