作物を守るためのドローンによる攻撃のキル率は実に98%!

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中国・広州に拠点を構えるドローンメーカーのXAGが、農業(Agriculture)と技術(Technology)を組み合わせた造語で知られるAgTech(アグテック)において、パートナーのバイエルクロップサイエンスとともに、害虫駆除を標的とするドローン群を作り、実際にその運用に成功した。


この秋、アメリカ大陸からアフリカ、アジアに広がった食用ヨモギは、たった3週間で中国の24州のおよそ950,000ヘクタールの食物に影響を与えた。
これが食物の生育に大きな影響を及ぼしているのは間違いないが、XAGがバイエルクロップサイエンスとともに行ったドローン群の運用は、主に害虫駆除を目的としている。

自律型ドローンによって毒性の低い殺虫剤を広範囲にわたって散布し、食物に大きな被害をもたらす害虫を駆除していくのだ。
害虫が大量に発生し、被害を受けた90%の地域で実際にドローン群による殺虫剤散布作戦を行ったところ、害虫のキル率が何と98%に達したのだ。
ほぼ100%に近いこの数字のキル率を見る限り、ドローンによる殺虫剤散布が食物を守ったことは明らかといえる。

作物を食い荒らしてしまうモンスターたちは、自律型ドローンによって、効率よく確実に排除されたことが、この作戦から見て取れる。

 

Alien Armyworms Invading Africa

狭い国土の日本でも、畑に大量に発生した害虫を取り除くのは容易ではない。
殺傷能力の強い殺虫剤を使えば作物が全滅しかねないが、かといって駆除できなければ害虫にすべて食い荒らされてしまい、結果は同じとなる。さらに、害虫はものすごい勢いで作物を食い荒らしていくので、早急な対応が求められる。
とはいえ、実際には人海戦術で取り除くしかなく、その効果はほとんどないといっていいだろう。作業そのものも大変になるため、諦めてしまう農家も少なくないはずだ。

ドローンの開発において優れた技術を持つXAGと、製薬会社であるバイエルクロップサイエンスが手を組んで行った、ドローンを群れとして飛ばしつつ、毒性が低く、害虫は駆除しつつも作物には悪影響を与えないという優れた薬剤との組み合わせは、広大な農作物を育てる地域にはとりわけ効果的だろう。

ドローンなら疲れを知らないし、操作さえしっかりしていれば隅々にまできちんと殺虫剤を散布して、害虫を駆除していける。
この組み合わせは、国土は広くないが農作業に従事する人が減っている日本でも、効果を発揮してくれるだろう。
ドローンによって農作業そのものが楽になれば農業に従事することへのハードルが下がるし、ドローン好きが農業に関わりたくなる可能性すらある。

この先、世界では大規模な食糧不足が起こり、人間はついに数が多く、種類の豊富な昆虫を食べなければならなくなるといわれている。
昆虫食を楽しみにしている人はそうそういないだろうから、狭い日本はもちろんのこと、広大な農作地を持つ中国やアメリカ、アフリカといった場所でどんどん実用化され、少しでも農作物の収穫量を増やしてもらいたい。
ドローン技術の進化は、人類にとって昆虫食が当たり前という事態を阻止するための、大いなる希望といえる。

参考:China Drone Attack on Crop-Eating ‘Monster’ Shows 98% Kill Rate.

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