アメリカで、UPSとCVSがドローンを使って処方薬を各家庭に初めて配送

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アメリカにおいて、UPSは無人機の配送子会社であるUPS Flight ForwardがCVS Pharmacyと協力して、ノースカロライナ州ケアリーの顧客のところへ、初めて処方薬配送を実施したという発表があった。
なお、この処方薬の配送は、2回行われている。

この配送の最も注目すべき点は、2回ともMatternet M2ドローンシステムが使われていることである。
CVSの薬剤師が処方した医薬品をドローンにのせて、無人飛行によって、顧客の元へ届けることに成功しているのだ。
ドローンを使った医薬品の配送は、これまで行われていなかったので、この配達によって、今後の配送のシステムを大きく変える可能性がある。

なお、UPS Flight Forwardは、ドローンによる配送を実現するために、FAAから商用ドローンの飛行許可を事前に得ている。
この初めての配達は、UPS Flight ForwardがPart 135という航空会社の認証を取得してから、わずか1ヶ月後に行われた。

同社のドローンは、オペレーターの視界を超えて、夜間でも人の上を飛ぶことを許可されていたため、このような配達を実現することができたのだ。
これまでは、UPSは、比較的大きなヘルスケア市場での配送に重点を置いてきた。
しかし、CVSと提携してこのようなドローンを活用した配達も行っていくことで、都市空域や貨物輸送や個人向けの配達システムが大幅に変わってくかもしれない。
万が一、災害や渋滞など様々な理由によって道路が使えなくなってしまったときであっても、空を飛ぶことができるドローンは、大きな活躍をするだろう。

 

日本国内でも、医師から指定された医薬品を受け取るためには、薬局に行って薬剤師による処方を受け取らなくてはならないため、手間がかかってしまう。
薬局が近くにない場合や仕事などの事情で薬局の営業時間までに来店できないと、薬がスムーズに受け取れなくなってしまうのだ。
薬は命に関わるとても重要なものなので、受け取りに時間がかかってしまうのは問題である。

だが、このUPSが行った配達のように、ドローンによる医薬品の配達が主流になっていけば、そのような問題の解決になるかもしれない。
病気や怪我をしていると薬局に行くだけでも大変だが、自宅にいながらドローンで受け取れるようになったら、患者も助かることだろう。
日本は超高齢化社会になってきているので、このようなドローンによる医薬品の受け取りが可能になることで、高齢者の負担を減らせる可能性もある。

また、医薬品に限らず、食品、衣類品、雑貨など、さまざまなものがドローンで配達できるようになったら、受け取る側が便利になるだけでなく、通販を行う企業にとってもますます需要が増えて大きなメリットになることだろう。
さらに、ドローンは無人飛行となるため、運送にかかる人件費やガソリン代などのコストの節減にもつながるかもしれない。

参考:UPS and CVS deliver prescription medicine via drone to US residential customers for the first time.

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