ネット構築が難しい地域にもドローンでインターネットサービスを提供

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日本のソフトバンクをはじめ、欧州のエアバス、米国のボーイングは60,000フィートを超える飛行が可能となる成層圏自律ドローンの開発に取り組んでいる。自律ドローンは介入なしで数か月間にわたって飛行できることを目的としていて、上空から画像やインターネットサービスを提供することを目指している。開発成功の暁には商業向けおよび軍事顧客向けに新しい市場が産み出されることが期待されている。

現在、エアバスにおけるソーラーパワーのゼファーUAVの重量はわずか175ポンドだが、翼幅は75フィートとなっている。
この軽量モデルに対し、成層圏ドローンは日中にバッテリーを充電し、夜空にとどまることもできるのだ。

欧州宇宙機関によれば、Starlink、OneWeb、TeleSatなどの衛星接続プロバイダーが競争相手になるように思えるが、新しいドローンは地上衛星と宇宙衛星間のリンクをさらに改善する可能性さえ期待されている。
つまり、上層の成層圏と宇宙への取り組みをライバルにするのではなく、補完してくれる役割として大きな成果を上げることを期待されているのだ。
新たなドローンの野望が成層圏に舞い上がるときが来た。

 

このドローンは高高度航空機や成層圏ドローンなどと呼ばれているが、調査会社のNSRによれば、今後10年間で17億ドルの収益を上げる可能性があると予測されている。
60,000フィート以上を飛行する高性能さと持続力を持ち、非常に軽量でありながらも、低空での乱気流に耐えることができる航空機の構築が目指されている。

非常に難易度が高い航空機の構築という課題にもかかわらず、既に40以上の開発プログラムが進行中だ。
R&Dと民間セクターの投資の両方が増加し続けており、今の時点ではまだウェブにアクセスできない40億人以上に対して、ネットワーク接続の利便性を提供できると考えられている。
海底ケーブルや資本集約的なトレンチも必要ないため、成功すれば、非常に低コストでのネットワークインフラの導入が可能となる。
ラストマイル接続コストは急落し、どこでも誰でも簡単にネットワークを利用できるようになると期待できるのだ。

ネットワークが必須の時代だが、地球上にはまだまだ利用できない地域も残されている。
ネットワークでつながることで後進国や途上国でも、情報を得ることができるようになり、世界の人と気軽につながることができるようになる。
ネットワークを通じた在宅ビジネスなどもできるようになり、貧しい地域や資源のない国の人の生活も豊かになるかもしれない。
何より情報後進国と情報先進国の格差をなくし、よりグローバルなネットワークが低コストで構築できるのが大きな魅力だ。

開発中のドローンは太陽光から電力を得て、成層圏を数か月間飛行することができ、地上の画像を撮影したり、山間部や離島など電波が届きにくい地域やインフラを整えたりするのが難しい地域にもインターネット接続サービスの提供を可能とする。
このドローンの開発が順調にいくことを願うばかりである。

参考:Drone Ambitions Soar to the Stratosphere.

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