テレプレゼンスロボットDoubleの可能性

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アメリカのカリフォルニア州に拠点を置くDouble Robotics社は、2019年8月に新たなテレプレゼンスロボットDouble 3を発表した。自動運転機能と新しい複合現実のドライバーのインターフェースが追加されたころで、在宅勤務を行うワーカーや遠隔学習を行う学生さんの効率性や生産性を向上させるサポートロボットだ。

Double 2までのハードウェアを大幅に改良し、iPadを別途購入ししなくてはならない構造ではなくなったのがメリットである。カメラと3Dセンサーのスイートが追加装備され、ロボット環境とのリモートインタラクション用の画面が組み込まれている。障害物にも倒れないシームレスな自動運転と、拡張現実の融合が可能となったことで、より使い勝手がよくなった。

在宅勤務者が職場にいる同僚と共同作業ができるようになったり、遠隔で授業を受ける学生に高解像度の複合現実の提供やモバイルビデオチャットの機能を提供したりすることが可能だ。

アメリカでは過去5年間で、在宅勤務を許可する雇用主の数が4割増えたといわれている。
通勤しなくて済む、通勤時間をカットできるうえに、自動車の排気ガスなども減らせてエコといわれる在宅ワークだが、最近の調査によれば在宅ワーカーの86%がオフィスよりも自宅での生産性が高いと評価していることが分かった。

Doubleのようなテレプレゼンスロボットは在宅勤務の利便性と同時に、職場で勤務しているかのようなリアルなコミュニケーションや対面会議の場も提供してくれる。
各企業においてもセンサーやAI、ARへの投資意欲が年々増大しており、テレプレゼンスハードウェアの製造コストもだいぶ安くなってきた。
業界の再編や大規模化も模索されており、Blue Ocean RoboticsはDouble Robotics社の主要なライバル会社を次々に買収するに至っている。
この分野を巡って競争が激化し、より高度なロボット技術が産み出されることが期待されるとともに、ユーザーとなる企業や大学などにとっては、コストダウンにより導入がしやすくなるメリットも生まれる。

Double Robotics社が開発を進めているDoubleの最新のテレプレゼンスロボットは、分散型チームのノウハウをより高度に習得してきた。
在宅ワーカーや遠隔学習のサポートはもちろんのこと、子供や高齢者、ペットの監視やケア、サプライチェーンの管理まで、さまざまな分野での応用や拡大が期待できる。
そのため、Doubleが提示する目的にとどまらず、自社のアイディア次第で活用することも可能だ。

日本においても、職場や仕事の効率化、人材不足を補うために分散型の労働環境を確保すべくテレプレゼンスロボット工学を適用することが考えられる。
子育てや家族の介護をしながら働くこともできる、遠方に住んでいても場所を問わずに活躍できる環境が整えば、有能な人材を確保し、人材不足の悩みも解決できるかもしれない。

参考:Double’s new telepresence robot now drives you around like you’re a Sim.

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