AIは医療現場を人間化してくれる新しいパートナー

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MIT Technology Review InsightsはGE Healthcareと共同で、900人以上の医療専門家の調査結果を公表した。
公表された調査結果とは、医療現場でAIがどのように利用されているかという、現状での使用例や方法についてである。
医療関係者の調査結果によれば、回答者の80%近くが2020年にAIアプリケーションにかける予算を増やす予定と回答した。
つまり、医療現場でのAIはそれだけ活用シーンも多く、役立っていると見ることができるだろう。

調査結果によれば、AIがすでに医療現場で利用されている用途や方法は次の通りとなった。
第一に医用画像および診断に役立てられている。
第二に自然言語処理ツールによる電子健康記録の自動化だ。
第三として、予測分析のためにAIを利用しているケースも増えている。
これまでの症例を機械学習させ、診断例を増やしていくことで、予測の分析精度も上がっていくことが期待される。
第四として患者データの記録とリスク分析となった。

調査結果によれば、AIを導入したことで医療スタッフの78%がワークフローが改善されたと回答している。
日常的な管理タスクに費やされる時間が削減され、手順の簡素化やスピードかに役立っているという。
管理業務などを省力化できることで、患者とのやり取りの時間をより多く確保できるようになったという点も注目に値しよう。

医療におけるAIの導入で、医療をより人間的にできると期待が寄せられている。
さらに重要なことは、AIが臨床的なエラーを減らしているという興味深い回答が目立ったことだ。
AIを使用する医療スタッフの75%が、AIのテクノロジーにより、病気の治療の予測を改善したと回答しているのだ。

 

AIはすでに医療現場のさまざまな場面で導入され、医療システムを大きく変革することに役立てられている。
臨床現場での診断にはじまり、製薬メーカーでの創薬に至るまで、幅広いシーンで導入が進んでいる。
AIを活用したスマートな患者スケジューリングツールが構築されたことで、医師が1日あたりに接することができる患者の数さえ最大化されるに至っている。

医療スタッフたちは日々の業務において、週の10%の時間メモを取ることや電子健康記録を更新することに費やしてきた。
AIがこれらの反復タスクを体系化し始めたことで、医師は医療処置や患者とのコミュニケーションにより多くの時間を割くことができるようになる。

AIアルゴリズムを医療画像に適用することで医師の判断をサポートし、臨床上の意思決定も大幅に改善されているのも大きな注目ポイントだ。
これに対して、まだAIを採用していない医師の調査結果によれば、AIツールを採用した人の2倍以上におよぶ時間を患者との時間以外に費やしており、かつ、臨床的エラーがでることを主要な課題であると回答している。
AIの導入がいかに医療現場に差をもたらすかが、実証された結果だ。

今後、医師や医療従事者は、重要な医療上の意思決定を行うためにAIを介したデータの包括的なプールを活用し、機械との共同作業を継続的に利用していくことになるだろう。
医療関係者にとって今やかけがえのない新しいパートナーとなったAIは、医師が臨床の現場で最善を尽くすことに集中できる環境をもたらし、医療業界の人間化と患者体験の向上を支えてくれるに違いない。

参考:How artificial intelligence is making health care more human.

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