完璧主義はDXにとって百害あって一利なし

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DXTコンサルティングの
兼安 暁(かねやす・さとる)です。
 
 
 
 
さて、今日のお話しは、
 
「完璧主義はDXにとって百害あって一利なし」
 
というテーマです。
 
 
 
 
今回も、前回に引き続き、
 
既存事業でDXを進める場合に
 
起こりがちな問題について考えていきます。
 
 
 
今回、お話ししたいのはこの3点です。
 
 
 ・部門連係を強制される
 ・求められる品質が高すぎる(ブランドの弊害)
 ・セキュリティに対する要求が大きすぎる
 
 
1つずつ考えていきましょう。
 
 
 
まず、
 
「部門連携を強制される」という問題です。
 
 
新しく商品・サービスを開発する場合、
 
これまでの業態や枠組みを跨るような
 
商品・サービスになることは、少なくありません。
 
 
 
こうした商品・サービスを新規事業で
 
扱う場合に、
 
「●●をやるなら、
■■部門で似たようなサービスを考えているから、
そこと連携してムダがないように進めるように!」
 
という指示が、ある役員から下りるケースがあります。
 
 
 
しかし、
 
この指示がプロジェクトのスピードを
 
劇的に遅くするのです。
 
 
 
 
こうした指示に対応しようとすると、
 
部門間で調整したり、
 
役員に調整結果を説明したりする
 
手間と時間がかかります。
 
 
 
それでも、
 
調整の結果良い方向に向かうケースなら
 
まだ良いほうです。
 
 
 
もし、
 
概念的には似ているものの、
 
本質的には似て非なるものだった場合には、
 
説明に時間をかけるのは、本当にムダでしかありません。
 
 
また、
 
「求められる品質が高すぎる(ブランドの弊害)」
 
というのも大きな問題です。
 
 
 
 
伝統的な企業が何か新しいことを始めるときに、
 
「失敗したら、評判に傷がつく」
 
「別ブランドであっても、
同じ会社がやっていることが分かれば、
既存のブランドにも影響する」
 
という理由で、
 
リリースするまでの条件がとても厳しくなることがあります。
 
 
 
 
しかし、この考え方に囚われると
 
新規事業があらゆる面で遅滞します。
 
 
 
なぜなら、革新的な商品ほど、
 
ヒットしたとしても賛否両論を産むからです。
 
 
 
誰からも批判されないものを
 
完璧に作ろうとすれば時間がかかりすぎ、
 
完成度に目をつぶってでもスピード重視で
 
参入してくるスタートアップには勝てません。
 
 
 
最後のポイントです。
 
 
「セキュリティに対する要求が大きすぎる」
 
このことがスピードを奪うケースは多々あります。
 
 
 
極端な例ですが、
 
大手企業では
 
少しでも顧客情報が洩れたら大騒ぎになります。
 
 
 
それを避けるために、
 
セキュリティ―対策に多くの費用を掛けわけです。
 
 
 
一方で、
 
まだ無名のスタートアップ企業から
 
顧客情報が漏れたとしても、
 
誰も問題にしないでしょう。
 
 
 
あるいは問題にする人がいたとしても、
 
それが話題になることは、滅多にありません。
 
 
 
ですから、スタートアップは、
 
細かいことを気にせずどんどん進み、
 
既存事業を行う企業はセキュリティを
 
気にするあまり新規事業の構築スピードが
 
遅くなる傾向にあるのです。
 
 
 
DXを行う場合には、
 
部門連携、ブランド、セキュリティなどを
 
100%完璧にしようとすればするほど、
 
スピードが遅くなってしまいます。
 
 
 
今後のビジネスでは、
 
全世界と競争をせざるを得ません。
 
 
 
そんな状況で、完璧にこだわって
 
スピードを落とすのは
 
百害あって一利なしです。
 
 
 
 
明日は、
 
「上場企業の決定的な弱点」
 
というテーマでお話しします。
 
 
 
 
お楽しみに!
 
DXTコンサルティング
兼安暁(かねやす・さとる)でした。

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