AI以上に世界を変える技術

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DXTコンサルティングの
兼安 暁(かねやす・さとる)です。
 
 
昨日は
 
「未来は『鏡の国アリス』?」
 
というテーマでお話ししました。
 
 
鏡の国、つまり、
 
ミラーワールドについてお伝えしました。
 
 
デジタルツインが、
現実にある物をデジタルデータに
置き換えるのに対して、
 
空間や環境をデジタルに置き換えたものが
ミラーワールドです。
 
 
 
似たような概念である、
バーチャル空間とミラーワールドの違いは、
 
バーチャルがあくまで仮想の世界なのに対して、
 
ミラーワールドは現実の空間や環境と
密接に関係している点でしたよね。
 
 
 
まだまだ本物には遠いですが、

近いうちに、
触ってみないとそれが
ARやホログラムで投影されているものなのかどうか
区別が付かない日がやってくるでしょう。
 
 
 
さて、今日のお話は、
 
「AI以上に世界を変える技術」
 
というお話です。
 
 
 
AI以上に世界を変える技術とは
なんだと思いますか?
 
 
 
その技術が
 
バーチャルリアリティ
 
日本語では仮想現実と呼ばれるものです。
 
 
 
今は、
 
「VR」と略すのが一般的かもしれません。
 
 
VRは、1990年代に主にゲームの世界で
 
我々の目に触れ始めていて、
 
すでに馴染みのある技術です。 
 
 
 
また、
 
VRの進化系である拡張現実(AR)も
2009年にセカイカメラが話題になり、
 
2016年になってポケモンGOが誕生したことで、
私たちにもイメージしやすい技術になりました。
 
 
 
VRやARは、
まだまだゲームで使われたり、
 
一部の先進的なオタクが喜ぶ
最新IT機器に留まったりしています。
 
 
 
しかし、実際には、
今後10年間で我々の目に触れる日常生活に
 
もっとも影響を与える技術のひとつです。
 
 
 
日本の産業界では
 
まだまだ、
危険な場所での作業のトレーニングや、
熟練技術者による若手技術者の指導等で
適用されている程度ですが、
 
米国では、
すでに大きな結果を出している
企業が出て来ています。
 
 
 
例えば、アメリカの不動産会社である
eXp リアルティ社は
 
VRの技術を使って、
12,000人規模の関係者が
仕事をしているにもかかわらず、
 
オフィス経費がほとんどかからなくなっています。
 
 
 
同社は、
2008年のリーマンショック直後に
米国で設立された不動産仲介会社です。
 
 
 
一般的な米国の不動産仲介業者が
オフィスを構える理由は、
 
仕事をする机と電話、プリンターに加えて、
顧客を招き入れて商談をするためのスペースが
必要なためです。
 
 
 
特に顧客と商談する必要があるため、
 
また、
別の街にテリトリーを拡げるためには、
 
街ごとにオフィスを用意する必要があります。 
 
 
 
したがって、
全米で事業展開しようとすると、
数百軒ものオフィスを借りる必要があります
 
 
 
また、社員のトレーニングを行うには、

大きな会場を用意するだけでなく、
各オフィスからの交通費も発生します。
(米国は広いので、交通費といっても、
   航空機代とホテル代、レンタカー代)
 
 
 
したがって、
米国で手広く不動産仲介事業を行うと、
 
非常にコストが掛かるため、
全米規模の不動産仲介業者は限られています。
 
 
 
同社は、
全米各地の街にオフィスを借りる代わりに、
 
仮想空間にオフィスを作り、
  
そこでさまざまな研修や会議を行うようにしました。
 
 
 
そのおかげで、
オフィス経費がほとんどかからなくなったのです。
 
 
 
その結果、
創業からわずか10年で
ナスダックに上場することができるほど、
急成長しました。
 
 
 
他にも、
ベル・ヘリコプター社は、VRの技術を応用して
 
FCX-001という世界で最初に音速を超える速度で
飛べるヘリコプターを開発しました。
 
 
 
このヘリコプターは
開発期間もおそらく世界最速です。
 
  
通常であれば、
設計に5〜7年かかるところを
わずか半年に短縮しています。
 
  
また、通常であれば、
模型を作り何度もテストをくり返して
設計作業を進めるのですが、
 
同社ではCADで設計した3Dの仮想システム上の
ヘリコプターにパイロットが
 
VRヘッドセットをして座り視認性や操作性の
テストを無数に繰り返しました。
 
 
さらに、3Dモデルに直接
設計図をつないで変更をリアルタイムで
VRに反映することで設計時間を10分の1にまで
短縮することに成功したのです。
 
 
 
このように、
VRがもたらすインパクトは
とても大きなもので、
 
私たちの生活や仕事に
大きく影響を与えていくことでしょう。
  
  
明日は、
 
「仮想現実と拡張現実で医療が変わる」
 
というテーマでお話しします。

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