ソフトバンクのVision Fund2が、AIベンチャーの上場を強力サポートすることの意味

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SoftBank Group Corp. founder, Chairman and CEO Masayoshi Son announces his group's April-December results during a press conference in Tokyo, Japan, 06 February 2019. Masayoshi Son said the group's net profit rose by 51.6 percent in the April-December period. (Photo by Alessandro Di Ciommo/NurPhoto via Getty Images)

概要

2019年7月、ソフトバンクでは次世代に向けた投資として、AIスタートアップに1,080億ドル以上を投資すると発表した。
ソフトバンクグループとして、AIベースのテクノロジーに特化したビジョンファンド2を1,080億ドルで立ち上げた。


世界から注目の投資家を募ったところ、リミテッドパートナーであるアップルやフォックスコン、マイクロソフトなど著名な企業を中心に多くの出資を得たのである。
ソフトバンクとしてもVision Fund 2に380億ドルもしくは現時点でのファンドの約35パーセントを投資することを決めている。

ソフトバンクの最初のビジョンファンドは62%の内部収益率(IRR)をもたらしており、実績ある成功例があるため、第二弾も期待されている。

それが将来、世の中にどのような影響を与えるのか

ビジョンファンド2はAIベンチャーやR&Dへの資本フローの地盤固めを目指しており、ソフトバンクグループが世界的に影響力のある国際投資家として地位を固めること目的にしている。
新しいファンドの立ち上げにより、起業家のスタートアップや投資家をはじめ、マイクロソフトのような企業プレイヤーの間でダイナミクスに大きな変動をもたらし、現在重荷の1つとなっているソフトバンクのサウジアラビア基金への依存を減らすことにもなる。


これまで、ソフトバンクグループでは、世界中のユニコーン企業377社のうち、24も投資をしてきた。
今回の巨額投資により、歴史的に強力なベッティングゲームを維持し、AI駆動型の新世代ディスラプターの誕生を支援することを目指している。


ビジョンファンド2に拠出された資金も、第1弾のビジョン・ファンドと同様、業界トップクラスのテクノロジー企業への投資を目的としている。
アイデアや技術、有能な技術者があっても資金力が足りないAIベンチャーに投資して上場を支援することで、次世代のIT界を飛躍させることが可能である。
ソフトバンクグループとしてベンチャー企業の支援や上場をサポートすることで、技術の革新はもとより、ソフトバンクグループとしても業界のトップリーダーとして確固たる地位が築けるというシナリオだ。


2019年7月26日時点で投資家のファンドへの出資予定額は合計約1080億円を達成しており、ファンド規模はさらに拡大する見通しとなっている。
ソフトバンクグループの孫社長によれば、最初の1号ファンドの創設時は初めての試みに、投資家の投資意向が固まってから実際の投資合意まで約9ヶ月がかかっている。
だが、1号ファンドが順調に成果をあげたことから、ビジョンファンド2ではさらに契約までの期間も短縮でき、積極的な投資が高まると見込まれているのである。
なお、ソフトバンクグループが出資する380億ドル(約4.1兆円)については、主に1号ファンドの投資先上場などで得た資金を充てる方針だ。
孫社長は1号ファンドの投資先の上場が続々と始まっており、2019年度では5~6社程度、2020年には10社が上場するのではないかと意気込みを語っている。

参考:SoftBank announces AI-focused second $108 billion Vision Fund with LPs including Microsoft, Apple and Foxconn

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