AIがリコール食品をECマーケットで検索してより安全が保てる時代に

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AIによりリコール商品の発見が可能に

ボストン大学公衆衛生学部の研究者が最新の技術であるAIをトレーニングすることで、リコールが必要な可能性のある安全でない食品を見つけることに成功したと発表しました。

アメリカで大規模な市場を誇り、日本や世界でも多くの商品を販売しているAmazonで、BERT AIに130万もの食品レビューをチェックさせ、このデータと報告されている米国FDA(日本でいう厚生労働省にあたる)でリコールされた食品と合致するものを発見したというのです。

この成果をもとにBERT AIをさらに学習させたことで、オンラインレビュー上で食品の安全状態を確認してリスク層別化することができるといいます。

発表の時点ではクラウドソーティングレビュー上で、どの食品がFDAでリコールされたのかを74%の精度で識別することに成功しました。
さらにリコール候補として挙げられている20,000の追加製品についても予測に成功したというのです。



健康被害や返品などのリスクが回避できる


このBERT AIを使えば、リコールされた食品を販売したことによる返品リスクや回収リスク、消費者の健康被害などを未然に防止することができます。

研究者たちはリスク対策ができる支援ツールとして、今後10年間で最も収益性の高いビジネスチャンスの一つではないかと目しています。

eコマースデータを活用して膨大なデータベースを検索し、BERT AIが製品をリスク別に分類することができるようになれば、食品のリコールに限らず、幅広い活用ができるかもしれません。
日本のAmazon市場では現在、実際の製造者や販売者の許可なく、老舗スイーツなどを転売する行為が問題になっています。

本来はその日のうちに食べて欲しい生菓子を販売することや賞味期限を偽って販売された商品もありました。
もし、消費者に健康被害などが出れば、製造販売者にクレームが入る場合や対応に追われなくてはなりません。

BERT AIを用いて本来の製造販売者が販売していない商品を見つけ、賞味期限が1日や数日程度しかなく、注文から消費者のもとに届くまでに傷んでしまう可能性がある商品のピックアップができれば、消費者の安心を保ち、本来の製造販売者の信頼を守ることにもつながります。

BERT AIがより学習を深めて高性能化していけば、品質管理と信頼保証をはじめ、サプライヤーフィードバックに関する決定を容易にクラウドソーシングできるようになるかもしれません。


参考: Researchers Say This AI Can Spot Unsafe FoodOn Amazon Faster Than The FDA

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