上海では早くも自動運転車で乗客を運べるようになる

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ドライバー不在で障害物を回避しながら、安全走行できる自動運転車の実用化への取り組みが世界で推進されているが、実現するにはまだ技術的な課題や事故を起こすことなく安定走行ができるかの懸念事項が残されている。
実用化するためには、まずは一定のエリアや環境でテスト走行を実施し、実証実験をすることが求められるからだ。

このたび、上海で中国で最初に自動運転車の許可証が発行された。
許可を得た企業は乗客や貨物を自動運転車両にて運ぶことの動作テストを実施できるのだ。
上海では65平方kmにわたる自動運転車専用道路セクションが設けられている。
そして、SAIC Group、BMW、Didi Chuxingという国内外の企業が、市内の嘉定地区で50台の車両を運用するライセンスを付与されたのだ。

実際に人を乗せて実験するための許可を得るには、申請を希望する企業は24,000㎞以上、かつ、1,200時間の乗客なしのテストを実施しなければならない。
しかも、衝突事故などのトラブルが発生していないことが条件となっている。

ライセンス取得後の実証実験では、乗客から料金を得ることはできない。
ライセンスを取得した自動運転車両が6ヶ月以上問題なく稼働できると、自動車会社は車両サイズの拡大を申請できる仕組みとなっている。

 

自動運転技術や自動運行車両の開発には、世界的に取り組みが行われており、毎年数十億が研究開発に注がれている。
もし、実現ができれば、自動運転技術が人の輸送や物流において革命を起こすであろう。

技術の開発は進んではいるが、問題となるのが実用化に至る前の実証実験の実行だ。
問題なく運行ができるか、事故を起こさないか、大きなトラブルを起こさないか、トラブル時の対応など、実際に稼働させる前に確認しなくてはならないことは山積みだ。
実用化前に実際に一般の利用客を乗せて実験走行を一定期間取り組まなくては、その安全性や有効性を証明することができない。

上海のように複雑な都市環境で自動運転による輸送サービスの実験が行える体制が整うことは、それだけ技術の成熟度が増しているとみることができる。
指定されたエリアとはいえ、上海で多数の企業が自動運転車を段階的に展開することで、さまざまな問題を明らかにし、トラブル対応のノウハウが蓄積され、今後の改善や開発に必要なデータを取得することができる。
ドライバーがいない車両への乗客受け入れの仕方をはじめ、走行ごとの数千のシナリオを蓄積することができるのがメリットだ。
得られたデータを解析し、より安全でスムーズな自動運転輸送サービスの構築へとつなげることができる。

上海では、車両の自律型の運転機能はもとより、都市に埋め込まれたセンサーやテーラーメイドのスマートロード、5Gベースの交通システムによって駆動できるなど、実験に最適な環境が整えられている。
各企業はライセンスを取得して上海におけるエコシステムに参画し、実用化に向けた実験と技術革新を進められるのだ。

参考:Shanghai allows self-driving cars to carry passengers.

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