P2Pビジネス×電力産業

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DXTコンサルティングの
兼安 暁(かねやす・さとる)です。
 
 
昨日は、
  
「滅亡に向かう火力発電」
 
というテーマでお話ししました。
 
 
「ディスラプトされる産業」火力発電の
行く末について、
 
 
まだ日本では、
 
太陽光発電よりも火力発電の方が低コスト
 
という話をよく聞きます。
  
 
一方で、
日照量が少ないドイツでは、  
 
化石燃料から自然エネルギーに
シフトしていく運動が、
すでに始まっており、
 
経済的にも成立しようとしています。
  
 
このように時代が、
 
明らかに自然エネルギー発電に
傾いていることを
 
お伝えしました。
  
 
 
さて、今日は、
  
「P2Pビジネス×電力産業」
  
  
というお話です。
 
 
これから先、
 
エネルギーが無料になる時代が
来るのではないか?
 
 
また、
従来の電力産業とは
変わった形態のビジネスが
生まれはじめているのでは?
 
と思われる方も
いるのではないでしょうか。
 
 
ひとつ面白い事実があります。
 
米国エネルギー局の発表では、
 
1時間の間に、
太陽が地球に降り注ぐ太陽光エネルギーは、
 
地球上で消費されるエネルギーの1年分よりも
多いそうです。
 
 
このエネルギーの
8760分の1(1年間は8760時間)だけでも
電力に変えられるとしたら、
 
我々は完全に太陽光だけで
エネルギーを充足できるということです。
  
 
現在は、太陽光発電といえば、
太陽光パネルを設置する必要があります。
 
  
この発電テクノロジーも急激に進化しています。
 
 
例として、
発電素子に対する研究では、

発電する素子を
布の生地や、壁材、コンクリートに
埋め込む研究が進んでいます。
 
 
つまり、
あらゆるものが発電し
電力の供給を始めるということです。
 
 
とは言え、 
世の中がいきなり変わるわけではありません。
 
 
過渡期を経て、
最終的にはどうなるかというと・・・、
 
私たちは、
外部から電力を購入する必要は、
ほとんどなくなるでしょう。
 
 
なぜなら、
各家庭は
太陽光パネルから発電された電力を
 
家庭で充電して
自家利用することになるからです。
 
 
電力を大量に利用する工場や
オフィスビルなども、
ビルの屋上に太陽光パネルを設置し、
自家利用するケースも増えるでしょう。
  
 
そうなると、
電力を必要な人が、余裕のあるところから、
もっともリーズナブルな価格で購入できるような
 
P2Pビジネスの仕組みが、
電力産業においても盛んになるでしょう。
 
 
その際に押さえておきたい3つの技術について、
見ておきましょう。
 
 
●VPP(バーチャル・パワープラント:仮想発電所)
 
家庭や企業がソーラーパネルを設置して
自家発電することが、
さらに普及すると、
 
その余剰電力を集めることによって、
まとまった電力を供給できるように
なるのではないでしょうか?
 
 
これを実現したのが、
VPP(バーチャル・パワープラント)、
つまり仮想発電所です。
 
 
日本でもFIT(固定価格買い取り制度)の終了を睨み、
 
VPP事業に参入しようと計画している事業者が
いくつか出て来ています。
 
 
VPPは、今後数年で成長する分野だと思います。
 
 
最初は地域ごとに形成され、
徐々に規模の経済を追求して、
 
資本の大きな事業者が
フランチャイズ的にそれらを集約していくでしょう。
  
 
 
●コミュニティソーラー
 
太陽光パネルを設置できない家庭は、
自家発電できません。
 
マンションやアパート等の
集合住宅に住んでいる家庭や、

都心や山間部で日照条件の悪い物件に
住んでいる家庭、
 
あるいは賃貸住宅なので
発電された電力はオーナーのモノ
だったりする場合もあります。
 
 
それを何とかしようというのが
コミュニティソーラーです。
 
 
すでに米国では、
貧困層で設備の購入ができない世帯や
住宅事情等で設置のできない世帯向けに、
広がりを見せています。
  
 
共同出資で別の場所に太陽光発電所を設置し、
そこで生まれた電力を、
出資割合に応じて分配し、
家庭の電気代を節約するというモデルです。
 
 
主に自治体や自治体が運営する電力会社、
あるいは協同組合(Co-op)等によって
運営されています。
 
 
出資と言いましたが、リースの場合もあります。
 
 
 
●V2G
(Vehicle to Grid:クルマから送電線網への電力送電)
 
実は、現在の送配電線ネットワークは、
電力のP2P送信ができるようには作られていません。
 
 
電力のP2P送信を行うためには、
全国規模での膨大な設備投資が必要になってしまいます。
 
 
一方で、
電力のP2P送信は余剰電力の融通ですから、
それほど多くの需要はないかもしれません。
 
 
つまり、
送配電設備を提供する電力会社としては、
投資対効果が低いビジネスとなります。
 
 
そこで注目されているのが、
EV(電気自動車)のバッテリーです。
 
 
自動車は平均して1日の95%は
利用されない状態です。
  
 
その利用されていない時間帯に
ヒト働きしてもらおうというわけです。
 
 
もちろん
家庭の太陽光パネルが発電した電力を
貯めておくためにも使えますし、
 
予備バッテリーとして使っても良いでしょう。
 
 
家に駐車している間に充電しておき、
使わない日には、
グリッド(送電線網)に売電するというアイデアです。
 
 
別の視点から見ると、
 
AVの資産運用手段として、
ロボットタクシーに共用するか、
余剰電力販売に共用するか、
 
両者の損得を考え、
都度選択して運用することもできるようになります。
  
 
ただ、現状のEVでは
2つの大きな課題があります。
 
 
ひとつはバッテリーの寿命です。
 
 
現在のEVのバッテリーのほとんどは
リチウムイオンバッテリーです。
 
 
これは多くの場合500回程度の充放電で、
クルマのバッテリーとしては
なくなってしまいます。
 
 
その後も、発電された電力の充電目的では、
3000回程度の充放電はできるようですが・・・
 
EVとして使い続けるには
バッテリーを新たに買い換えなくてはならなくなります。
 
 
 
もうひとつの課題は、
電気自動車のほとんどのバッテリーは、
接続が双方向ではないということです。
 
 
つまり、
エネルギーは一方向にしか流れず、
その流れを逆にするには、
 
バッテリーのDC電流を
送電網のAC電流に変換するインバーターを
取り付ける必要があります。
 
 
そして、
インバーターを通すとエネルギーは
大きく失われてしまいます。
 
 
 
したがって、
自分の家庭で発電した分を
直接EVのバッテリーに貯めるのは良いのですが、
 
他所の家庭で発電された電力を送電網を通して、
一般家庭のEVに貯めておくというのは、
現実的ではありません。
  
  
今日は、
これから先の電力産業について、
 
電力のほとんどが自家生産・自家消費になり、
 
市場で流通するのは、
わずかな余剰電力と不足分程度となることを
お話してきました。
 
 
P2Pビジネスの仕組みを利用した
それを取りまとめる小さなビジネスが
全国各地に立ち上がり、
それでほとんどの需要が賄われるかもしれません。
 
 
電力会社や火力発電所、
あるいはそこに物資を共有している企業にとっては、
あまり嬉しくない未来になりそうですが、
 
エネルギーが無料に近づくことで、
私たち個々人の生活は様変わりし、
 
さまざまな社会問題も
解決する可能性が高まりそうですね。
 
 
 
明日は、
     
「 坂本龍馬の人生を体感して学ぶ日 」
   
というテーマでお送りします。
    
    
お楽しみに!

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