3D印刷会社であるカーボンは、イタリアの人気自動車メーカーであるランボルギーニとのパートナーシップを拡大した。
ランボルギーニによれば、積層造形に重点を置く方針のもと、カーボンとのパートナーシップを拡大するという。
カーボンによる3D印刷の技術は、酸素と光を活用した光化学プロセスを使用してコンポーネントを印刷する方法であるDigital Light Synthesis(DLS)テクノロジーという画期的な技術を生み出した。
DLSで一躍有名になったカーボンが、ランボルギーニ初のハイブリッドプロダクションカーSiánFKP 37のダッシュボードの通気口を、DLSを使用して製造するというのだ。
カーボンは以前にも、自動車メーカーとの提携により、Urus Super Vehiclesのテクスチャ付き燃料キャップとエアダクトクリップを製造した実績を持つ。
カーボンのDLS技術を用いれば、ランボルギーニの生産時間をわずか12週間に短縮することができるという。
設計に複数の反復を含むため、従来のプロセスを使用して成形するのが非常に難しい幾何学的形状であっても、DLS技術を使えば容易に成形ができるからだ。
3Dプリンティングの技術は、微細でカスタマイズされた複雑な自動車部品やロケットエンジンのコンポーネント、さらには臓器組織の生産であろうと、製造業のプロセスを大きく変革してくれると期待されている。
すでにプログラムを用いた生産の時代に急速に突入しており、はるかに短時間で、はるかに安価で汎用性が高く、迅速にプロトタイプ化された製品の製造を可能としてくれるようになるのだ。
3Dプリンティングテクノロジーが飛躍的に加速するにつれて、製造現場をはじめとするビジネスの世界で、どのような潜在的な用途に用いられるようになるか、今後の展開が期待される。
3Dプリンティングの技術で実現可能なことは、多様に広がっている。
3Dプリンティングの技術なら設計変更にも柔軟に対応でき、圧倒的な短納期を実現できるのが魅力だ。
従来の方法では困難な複雑な型でも容易に作成ができるうえ、 治具や型をストックしておく必要もなくなる。
その都度、自在かつ容易に設計、作成できるからだ。
短納期化により、デザインのイメージをすぐにモノとして確認できるので、新しい製品の開発やデザイン設計もスピーディーになる。
柔軟に技術の応用ができるので、製造方法に囚われない自在なアイディアの創出につながり、さまざまな機能の開発や機能の極限の追及ができるようになるだろう。
顧客一人ひとりに対応した製品の開発もしやすくなり、マス・カスタマイゼーションが加速することも考えられる。
ケースによっては製品の輸送も不要になるうえ、保守サービスのためのパーツの在庫も要しないなど、低コスト化や省エネか、環境負荷の軽減にも役立つと期待される。
かつてなら印刷技術で立体のモノが造れるなど、夢のまた夢の話だったが、それが現実になるとともに、更なる発展を遂げようとしているのだ。