3Dプリンタ製造の課題

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DXTコンサルティングの
兼安 暁(かねやす・さとる)です。
 
 
昨日は、
  
「3Dプリンターで実現!家を1日で建てる」
 
というテーマでお話ししました。
   
 
 
3Dプリンティング。
 
 
デジタルデータを
積層造形と呼ばれるプロセスで
材料を重ね合わせることで、
立体オブジェクトに変換する技術でしたね。
 
 
3Dの設計情報どおりに
ノズルを動かすだけで、
 
デジタルデータを
立体オブジェクトに変換するため、
 
3Dの設計情報さえあれば、
すぐに製造に取り掛かることができる
という仕組みでした。
 
 
  
さて今日は、  
 
「3Dプリンタ製造の課題」
 
 
というお話です。
 
 
実は、
3Dプリンタ製造には
まだまだ
課題があります。
  
 
特に自動車部品等の
製造業での活用には、
躊躇する企業が多い状態です。 
 
 
なぜなら、
自動車部品などの
高い安全性・耐久性が求められるモノへの
活用において、
次のような懸念があるからのようです。
 
  
1 強度と信頼性
2 スピードが遅く大量生産に向かない
 
 
それぞれ、
具体的な事象をみてみましょう。
 
 
 
1 強度と信頼性
 
現在、アメリカの
航空宇宙と医療器具の
2つの産業は、
 
すで3Dプリンターで作られた資材を
採用しており、
 
それ以外のものの方が少ないとも
言われています。
 
 
しかし、
航空宇宙と医療機器は、
特に強くて丈夫で、
正確でなければならないです。
 
 
したがって、米国では、
航空宇宙と医療機器の産業は
 
連邦航空局と食品医薬品局による
監督の対象ともなっており、
 
強度と信頼性が
常に懸念材料になっています。
 
 
その反面、
イーロンマスクのSpaceX社をはじめ、
ロケット製造において、
3Dプリンターは欠かせない技術となっています。
 
 
重要なポイントとして、
部品点数が減る事により軽量化が実現できるということ
があげられます。
 
 
今後は、ロケットや航空機だけでなく、
パッセンジャードローンや、
あるいはEVも
 
航続距離を延ばすために
軽量化はますます重要になっていくでしょう。
 
 
 
2 スピードが遅く大量生産に向かない
 
自動運転EVバスOlliを製造した
Local Motors社のCEO
Jay Rogers氏によると、
 
従来7年間かかっていた
クルマの企画から設計、製造までの期間が、
 
3Dプリンタの活用によって
半年で済むようになったと言います。 
 
 
ここまで聞くと、
3Dプリンタは市場までの導入がとても速く、
スピーディーだと思いますね。
 
 
一方で、
Local Motors社が
3Dプリンタでクルマを製造すると・・・
 
プリンタは1日かけて1台のクルマを印刷するそうです。 
 
 
クルマの製造ラインは、
例えば日産の九州工場では
1分間で1台(1時間60台)のペースで
生産できるそうです。 
 
 
3Dプリンタで同じだけ製造するには、
1500台の3Dプリンタが必要になります。 
 
 
つまり現状では、
3Dプリンタによる生産は、
 
マスカスタマイゼーション(1台ずつ違うクルマをつくる)には
向いていますが、
 
大量生産には向かないとされています。
 
 
とは言え・・・、
 
2019年にミシガン大学の研究者たちは、
画期的なステレオリソグラフィ法(光造形の一種)から
 
従来の3Dプリンタの最大100倍の速度で
複雑な形状を作り出すことに
 
成功しました。 
 
 
他にも、
3Dプリンターで使用する素材など、
日々、研究開発が進められています。
 
   
  
以上のように、
 
1 強度と信頼性
2 スピードが遅く大量生産に向かない
 
と懸念されていても・・・
 
高い安全性・耐久性が
求められるモノへの利用も始まっていますし、
 
大量生産の技術も進化し続けています。 
 
 
これらの現状の課題がなくなった時、
製造業はどのように変わっていくでしょうか?
 
 
 
明日は、
     
「3Dプリンタで激変!?住宅建築」
   
   
というテーマでお送りします。
    
    
お楽しみに!

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