ブロックチェーンの弱点

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DXTコンサルティングの
兼安 暁(かねやす・さとる)です。
 
 
昨日は
 
「注意!ブロックチェーンで滅ぶ業界」
 
というテーマでお話ししました。
 
 
事例として挙げたのは、
 
エスクロー、貿易会社、保険会社、
 
そして登記所でしたが、
 
他にも多くの業界がブロックチェーンの影響を
受けることが予測されるとう話でしたね。
 
 
 
さて、今日のお話は、
 
「ブロックチェーンの弱点」
  
というお話です。
 
 
 
今までの話を聞いて、
ブロックチェーンでいろんな業界が
崩壊してしまったり、
 
業務が簡略化するために多くの人が
仕事を失うようなイメージを持ったかも
 
しれません。
 
 
 
確かに、
 
ビジネスに対してブロックチェーンが
もたらすインパクトはかなり大きなものがあります。
 
 
 
しかし、そんなブロックチェーンにも
実は弱点があるんです。
 
 
 
例えば、普及すれば、
大きなインパクトをもたらすはずの
ブロックチェーンが
 
なぜ、
それほど一般的になっていないのでしょうか?
  
  
  
それには、理由があります。
 
 
●ブロックチェーンが思うように普及しない理由
・当事者同士の合意がないと、始まらない
・クリティカルマスに達しないと、普及しない
・取引の中身を公開されたくない
・現物とブロックチェーン上の情報の整合性をどうするか?
など
 
 
以下、一つずつ解説していきます。
 
 
・当事者同士の合意がないと、始まらない
 
例えば、
保険会社がブロックチェーンを使いたいと
思ったとしましょう。
 
 
もちろん、技術的には十分可能なのですが、
 
この場合でも契約者がブロックチェーンを
使うことに同意しなければ、
 
今まで通りの取引をせざるを得ません。
 
  
同じようなことが、あらゆるビジネスでいえます。
 
 
・クリティカルマスに達しないと、普及しない
 
どんな、仕組みでもそうですが、
企業間の取引では「一般的によく使われる方法」が
好まれる傾向にあります。
 
 
具体的には、
 
市場取引の50%くらいが提携して
特定のブロックチェーンを採用するくらいでないと、
 
普及しないと考えられます。
 
 
・取引の中身を公開されたくない
 
業界横断的なブロックチェーンを作ろうとするときに、
企業が参加を躊躇する理由のひとつに、
取引が競合に筒抜けになるというものがあります。
 
  
この場合、防ぐ方法はただ一つです。
 
  
それは、当事者間にしか
取引が見えないという制限を付けることです。 
 
 
しかし、そうなってくると、
業界横断的なブロックチェーンのしくみは、
 
オープンで透明性の高いブロックチェーン上ではなく、
クローズドなネットワーク型のブロックチェーンに
 
集約されていくでしょう。 
 
 
・現物とブロックチェーン上の情報の整合性をどうするか?
 
ブロックチェーンをモノの真贋の保証や、
食物などのトレーサビリティに
利用しようという動きがあります。 
 
 
これについては、
 
強いブランド品の真贋の保証であれば、
普及は難しくないと思います。 
 
 
しかしながら、一つ大きな問題があります。 
 
 
モノとブロックチェーンという電子情報を繋げる方法です。 
 
 
例えば、魚や肉を売るとしたら、
1個ずつチップを入れることは可能でしょうか?
 
さらに切り身にして売られた場合、
切り身ごとに新しくチップを追加しますか? 
 
 
 
これはコスト的に難しいような気がしますし、
追加されたチップの情報が
正しいと証明するのは難しいでしょう。
 
  
 
さらに、ICチップが偽造された場合、
真贋を見極めるとはとても難しくなります。
 
 
 
以上のように、 
ブロックチェーン技術は、
これからの世の中を変える重要なテクノロジーですが、
今のところいろいろな弱点があることも否定できません。
 
 
明日は、
 
「誕生!デジタルな双子」
 
というテーマでお話しします。
 
 
 
お楽しみに!

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