Teslaが開発した新しいMegapackバッテリーの環境貢献への可能性

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概要

テスラ社が新たに開発したMegapackバッテリーは、最大3メガワット時(MWh)のエネルギーを一度に保存することが可能だ。同等レベルの既存のエネルギー保存ユニットに必要なスペースの約6割、コンポーネントの1/10しか使用せずに済むのだ。

同時につないだ場合、Megapackバッテリーは理論上1 GWhを超えるエネルギーの貯蔵を可能にするという。
サンフランシスコのすべての家に6時間もの給電を可能にする容量だ。

テスラ社ではすでに完全に組み立てられたMegapackをパシフィックガスアンドエレクトリック(PG&E)のようなユーティリティ企業に納入す見通しを立てている。

 

それが将来、世の中にどのような影響を与えるのか

日本でも問題となっている電力需要時のピークにいかに対応するかは、アメリカでも大きな課題だ。
ピーク需要が地元の送電網の容量を超えた場合に、いかにエネルギーを供給するかが課題であり、供給を行う責任を担っている。この重要な課題に対してテスラ社が新たに開発したMegapackバッテリーが効率的でより安定した電力供給に役立つと見込まれる。従来のバッテリーや代替ソリューションに比べて、テスラの新しいMegapackバッテリーは約10倍もの速さで組み立てることが可能だ。つまり、電力会社など既存の公益企業と比較して、スピーディーかつ大規模に展開するのに適しているのだ。


テスラ社のソーラーパネルの設置率は2019年第2四半期は史上最低という水準であったが、エネルギー貯蔵ベンチャーへの注力は高まり続けている。
エネルギー貯蔵という分野においての期待すべきリーダーとして、躍進が期待されているのだ。Megapackが市場に参入すれば、再生可能エネルギー源への社会的シフトが大きく加速するかもしれない。

テスラ社では自動車メーカーとして電気自動車や自動運転技術の開発を行うだけでなく、かねてより、リチウムイオンバッテリーを使った蓄電システムにも力を入れてきた。これまでにもPowerWall、PowerPackといった大型バッテリーを開発、販売してきた実績を持つ。


テスラ社ではバッテリーによる貯蔵システムについて、世界の電力網を変革し、持続可能エネルギーによる発電へとシフトするための重要な要素だと考えている。
大型風力発電所をはじめとする大規模バッテリー貯蔵プロジェクトからの需要はすでに高まりをみせている。
今後も開発が進むと見られる巨大な蓄電施設プロジェクトのために、テスラ社が次世代を担うバッテリーとして開発したのがMegapackなのだ。
大型バッテリーストレージの設置工事においては付属させる機器が多彩で複雑なため、導入には手間もコストも要する。
そこで、テスラ社ではバッテリーやインバーター、熱管理システム、制御装置などの装備をすべて工場で組み立ててから輸送するという新たな設置ルートまで同時に開発、提供するのだ。
導入する現場で必要な作業はMegapackの設置と接続だけであり、複雑化極まる必要な付属装置などの設置は必要ない。
大幅なコスト削減と手間を省き、導入を促進することだろう。

参考:Tesla’s Megapack battery is big enough to help grids handle peak demand

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