家庭に設置された分散型太陽電池が大規模停電の危機を救う

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オーストラリアのクイーンズランド州で大規模な石炭火力発電所が、突然オフラインになり、大規模停電を引き起こすアクシデントが起こった。
突然のトラブルを救ったのが、貯蔵が難しいのが難点とされてきた再生可能エネルギーであった。
この危機を救ったのが南オーストラリア州仮想発電所(VPP)である。

南オーストラリア州仮想発電所(VPP)は、分散型太陽電池プロジェクトとして米国電池とテスラが主導して創設したものだ。
屋上太陽光発電所または屋上PVを備えた地域の何百軒もの家から貯蔵された太陽光資源を集約できるというシステムだ。

クイーンズランド州の石炭火力コーガンクリーク発電所が突然停止し、784 MWの電力供給が失われ、地域の電源が失われる危機に見舞われた時、VPPがその有用性を証明する機会を得たのである。
VPPは周波数の低下を検出すると、900以上のシステムから即座に電力をコーガンクリーク石炭火力発電所のグリッドに戻すことで、電力供給システムの安定化を支援したのだ。
つまり、南オーストラリア州の家庭用バッテリーは、石炭ユニットが故障した際も、クイーンズランドでライトを点灯し続けることの有効性を知らしめた。

 

コーガンクリーク石炭火力発電所はオーストラリア最大の単一発電所である。
そのため、万が一、トラブルが起これば、地域の電力供給源が失われ、地域が大打撃を受け、大きなパニックになるリスクが懸念されてきた。
そのリスクを瞬時にカバーし、分散再生可能エネルギーネットワークが有効性を発揮したことは、オーストラリアにおいて注目を集め、大きな賞賛を得る結果となった。

エネルギー貯蔵の点で課題を残していることは、再生可能エネルギー源を普及させるうえで大きな足かせとなっている。
太陽が出ている間しか発電ができない、風が吹いているときでないと発電できないという太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーは、環境には優しくても、現代の生活や産業を安定的に支えるエネルギー源としてはパーフェクトではないためだ。
エネルギーの貯蔵ができるようになることは、人間がコントロールできない自然現象に左右される太陽や風の変動を緩和するために重要となる。

今回、石炭火力発電の停止を瞬時にカバーでき、グリッド規模での分散ストレージの有効性が実証された成功によって、事態が大きく動くかもしれない。
貯蔵ができないから、自然現象に左右されるからと、再生可能エネルギーの導入に躊躇していた人たちや企業が導入を進め、普及促進を後押しするかもしれないからだ。
特に住宅の屋上ソーラーPVシステムの場合、今回の大きな成功と実績に注目が集まったことから、ソーラーおよびマイクログリッド技術の広範な採用につながると期待される。

地球温暖化防止のためにも、石炭火力から太陽光や風力などの再生可能エネルギーへのシフトが求められる時代にあって、今回の成功は大きな契機をもたらすと期待したい。

参考:South Australia household batteries keep lights on in Queensland after coal unit fails.

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