10億人以上に影響を及ぼす事業

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DXTコンサルティングの
兼安 暁(かねやす・さとる)です。
  
 
 
 
さて、今日のお話は、
 
「10億人以上に影響を及ぼす事業」
 
というテーマです。
 
 
 
昨日、
 
世の中で起こっていることのひとつに、
 
既存の産業をディスラプトして
 
出来た新しい産業では、
 
2~3社くらいしか生き残れないという
 
現象があるとお伝えしました。 
 
  
  
小売業や音楽業界などを
 
事例として挙げましたが、 
 
旅行業界も同様です。 
 
 
 
私たちがアジアや米国を旅行する際
 
ホテルを予約しようとしたとき、
 
利用される
 
ホテルの予約サイトは
 
エクスペディア、Booking.com、アゴダ
 
のあたりではないでしょうか?
 
  
 
ホテルズドットコム、トリバゴ等も
 
利用されるかもしれませんが、
 
この2社は、
 
エクスペディア・グループの傘下です。
 
 
 
世界の旅行会社 売上ランキング(2018)によると、
 
2019年の売上高は、
 
このエクスペディアグループが、
 
業界1位を誇っており、
 
120億ドル(1兆2千億円)、
 
営業利益は6.2億ドル(620億円)でした。
 
 
 
Booking.comとアゴダは、
 
同じブッキング・ホールディングスの傘下で、
 
2019年の売上高は、業界2位で、
 
150億ドル(1兆5千億円)、
 
営業利益は53億ドル(5300億円)。
  
  
  
3位は
 
アメリカンエクスプレス・グローバル・ビジネス・トラベル社で、
 
その売上高は、
 
1位の30%程度ですので、
 
1位、2位とは、かなり引き離されています。
  
  
 
なお、蛇足ですが、
 
意外にも日本の旅行会社は
 
売上高では健闘しているようです。 
 
 
 
先程ご紹介したデータの1年前、
 
2018年の売上高では、
 
なんと、JTBグループは売上高1兆3千億円と、
 
世界一のエクスペディア・グループを上回っていました。
 
 
 
エイチ・アイ・エス・グループは
 
7300億円とグローバル市場では
 
4位に位置しているようです。
  
 
 
このように日本の旅行会社は
 
日本市場だけしか相手にしていない割には、
 
グローバルレベルで対抗しているのですが、
 
 
営業利益がどちらも60億円程度と、
 
ブッキング・ホールディングスの100分の1、
 
エクスペディアの10分の1と、
 
比較にならないほど酷い状態です。
  
 
 
しかし、裏を返せば、
 
この2社はDXを進めることによって、
 
グローバルのTOP2社を蹴落とせる
 
位置にいるということでもあります。
 
 
 
とは言え、
 
エクスペディアとブッキング・ホールディングスに
 
日本市場を奪われると悲惨なことになります。
 
 
 
すでにエクスペディア・グループの
 
トリバゴは、
 
Covid-19によって誰も旅行に行かない時期に
 
TVCMを積極的に打つなど、
 
日本市場を本気で狙いに来ています。
 
 
 
 
旅行業界問わず、
 
日本企業の話をすると、
 
これまで日本企業は、
 
非常に良いサービスを提供してきました。
 
 
 
それなのになぜ?

グローバルの競争で弱いのか?
 


というと、
 
日本のGDPが世界3位と、
 
日本市場がそれなりに大きいがために、
 
企業がサービスを企画する際に、
 
どうしても日本市場から入ってしまい、
 
何を考え、実行するにも
 
日本国内だけで終わってしまうからです。
  
 
 
しかしながら、
 
それではグローバル競争に勝ってきた
 
企業に勝てません。
 
 
 
まず、
 
資金力が桁違いだからです。
 
 
 
そして、
 
桁違いに優秀な人材を、
 
大量に雇うことができるのも、
 
資金力があるからです。
  
 
 
グローバル市場を目標に
 
サービスを考える際に、
 
どうしても日本市場のことが
 
頭にこびりついて離れない方は、
 
10億人以上に影響を及ぼす事業に
 
取り組むつもりでサービスを企画しましょう。
 
 
 
目標値が10億人の単位になれば、
 
日本市場を頭から離すことができます。
 
 
  
 
   
明日は、
 
「SDGsを営利事業で行う意味」
 
というテーマでお話しします。
 
 
 
お楽しみに!
 
DXTコンサルティング
兼安暁(かねやす・さとる)でした。

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