ニューヨークで初めての無人シャトルサービス

Blog

自動運転車(AV)のスタートアップ企業として知名度を挙げているオプティマス・ライドはニューヨーク市で初となるパブリックAVとして、ブルックリンの海軍工員向けに無人シャトルの運行をスタートしたと発表した。
当初はセーフティドライバーとソフトウェアオペレーターが乗り込み、1.1マイルの私道ループで運行を行う。
1ヶ月あたり16,000人以上の乗客が利用する見込みだ。

乗客の無人運行に対する抵抗感や不安などのハードルを下げるため、無料での提供として、多くの人に体感してほしいと望んでいる。NYCフェリー停留所とヤードのカンバーランドゲートの間を走り、ネイビーヤードで働く人を中心に通勤や移動の手段となる。

 

AV(自律走行車)テクノロジーが実用化を遂げるためには、人々の信頼が不可欠となる。
オプティマス・ライドはニューヨーク市よりネイビーヤード内限定という特別の許可を得て、無料にて無人シャトルサービスを開始することにより、自動運転技術の安全性と利便性の信頼向上を目指す。


ネイビーヤードはニューヨーク市の管理のもとで、工業団地や複合商業施設の大規模開発が進められてきたエリアだ。
現在、約400社がオフィスを構え、約1万人が働いているという。
2019年秋にはフェリー乗り場付近に約6万2700㎡の大型ビルが完成するなど拡大を続けており、ネイビーヤードで働く人は2021年までに2万人へと増大すると見られている。

今回の計画は法令の効力が及ばない私有地内で無人シャトルサービスを提供する取り組みで、ネイビーヤードにおけるブルックリン工業団地内の仮想境界線で区切られたエリア内において、主に1万人近くの作業員を工業エリアで移動させるのに活用されると見られる。

車両の定員数は6名で、当面はセーフティ・ドライバーとソフトウェア・オペレーターが前方座席に乗車するが、オプティマス・ライドの共同創始者であるライアン・チンCEOによれば、2020年までに完全な無人走行に移行する計画だ。


電気自動車の前後3カ所にLiDARセンサーが搭載され、道路を横断する人や車などの障害物、一時停止のサインを認識する。
ネイビーヤード内での速度は時速15マイル(時速24km)だが、センサーを通じた認識と判断に基づき、スムーズにハンドルを切ったり、速度を落としたりすることができ、極めて自然な乗り心地という。


オプティマス・ライドでは今回のような私有地を中心に企業および大学のキャンパスや居住コミュニティ、リゾート地など限定されたエリアでのサービス展開戦略を打ち出している。
こうした閉鎖型ネットワークにおける輸送サービスの提供は、低リスクでの市場参入ルートとなり、併せて6,000億ドルを超える市場規模があると見込まれている。
こうした無人シャトルは自家用車の適応走行制御やブレーキアシスト、ハンズフリー縦列駐車といった段階的な技術の追加に代わる総合的なサービスとして、AVのより一般的な実用化を大幅に加速する可能性が期待できるものだ。

参考:Some New Yorkers Brave Self-Driving Shuttle

タイトルとURLをコピーしました