改善や改革は不要!本当に必要なことは?

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DXTコンサルティングの
兼安 暁(かねやす・さとる)です。
  
 
 
 
さて、今日のお話は、
 
「改善や改革は不要!本当に必要なことは?」
 
というテーマです。
  
  
 
 
昨日、Ichak Adizes氏が提唱している
 
企業が倒産するまでに辿る成長・衰退過程
 
「コーポレート・ライフサイクル・モデル」
 
という概念についてご紹介しました。
 
  
自社が、
 
「コーポレート・ライフサイクル」の
 
10の段階の中で、
 
どの状態にいるのかを知ることは、
 
DXを進めていく上で、良い指針になります。
 
 
【コーポレート・ライフサイクル・モデル】
① 恋愛中
② 乳幼児
③ 3歳~小学校低学年
④ ティーンエイジ(10代)
⑤ 最盛期(20代~ )
⑥ 安定期(40代)
⑦ 中年期(50代)
⑧ 高齢期(60代) 
⑨ 要介護期(後期高齢者)
⑩ 死亡
  
 
  
今日は、⑥から⑩までを見ていきましょう。
 
 
 
⑥安定期(40代)
最盛期から安定期への移行は非常に静かで、
 
誰も気付かないうちに 
 
徐々に時間をかけて進行します。
 
 
 
しかし、これは終わりの始まりを示すものであり、
 
最も深遠な移行です。
 
 
 
企業はこのとき業界のリーダーになっていますが、
 
以前と同じ意欲と飢えはありません。
 
 
 
銀行出身者が
 
COOまたはCEOとして会社を経営しており、
 
株主を満足させるために、
 
将来の成長に必要な研究開発に投資するのではなく、
 
短期的な結果に焦点を当てています。
 
 
 
経営陣は快適に馴染み、
 
現状を変えたくありません。
 
 
 
彼らには彼らなりの成功の秘訣があり、
 
それから外れたことをすることに消極的です。
 
 
 
社内政治も問題として顕在化してきます。
 
 
 
人々は、Whatよりも、Howにこだわります。
 
 
 
この時点で会社は非常に大きいため、
 
変化への対応が非常に遅くなります。
 
 
 
この段階からは、業績を下げていく道しかありません。
 
 
 
 
⑦中年期(50代)
会社は年をとるにつれて、
 
物事のやり方を変えることを拒否するようになります。
 
 
 
企業は、
 
成長しつづけ、変化しないと
 
死んでしまいますが、

中年期の企業では、
 
波風を立てたり
 
革新を起こしたりすることは
 
許されません。
 
 
 
したがって、会社は悪化し始めます。
 
 
 
市場や外の状況とのつながりが
 
失われ始めています。
 
 
 
中年期の企業は
 
かつてないほど多くのお金を
 
稼いでいますが、
 
 
そのお金を投資する
 
新しい取り組みはありません。
 
 
 
この段階での管理者は、
 
多くの場合、
 
多額のボーナスと高額の給与を受け取ります。
 
  
 
企業は
 
独自の新しいイニシアチブへの投資を
 
停止しますが、
 
 
主に若く革新的な新興企業の買収に
 
いくらかお金を費やしています。
 
 
 
このようにして、
 
組織に活力を注入しようとしますが、
 
買収されたスタートアップは、
 
重いトップダウンの管理と官僚制の下では、
 
窒息してしまうだけです。
 
 
 
会社で働くことは、
 
高級な会員制クラブに所属している
 
ような気がし始めます。
 
 
 
新しいアイデアは
 
会社の存続を脅かすために破棄されますが、
 
一方で業績の低下は許容されます。
 
 
 
同社は市場とのつながりを失い始め、
 
徐々に顧客を失います。
 
 
 
誰も悪いニュースをトップに伝えたくありません。
 
 
 
気づいた時には手遅れになります。
 
 
 
⑧高齢期(60代)
経営陣が利益の減少を隠すことができなくなったとき、
 
彼らは誰かの責任にしよう(魔女狩りをしよう)とします。
 
 
 
彼らはすべてのエネルギーを、
 
問題を解決するために利用する代わりに、
 
スケープゴート(非難する誰か)を
 
見つけることに費やします。
 
 
 
幹部は
 
自身に帰属する既得権益を
 
保護するために戦います。

 
 
彼らの利益のために、
 
同社はコスト削減に焦点を当てていますが、
 
それはビジネスにさらに害を与えるだけです。
 
 
 
⑨要介護期(後期高齢者)
魔女狩りは残っている才能を追い払い、
 
救いとなる希望を持ちます。
  
  
  
新しいCEOが
 
混乱と乱気流をおさめるために
 
やってきます。
 
 
 
しかし、新しいCEOは
 
安定性、プロセス、反復可能な実行を
 
重視しているため、
 
 
クリエイティブな人々は去り始め、
 
イエスマンが重要な役職に上がり、
 
企業文化は完全に変わります。
 
 
 
残っているのは、
 
イノベーションを阻害する手順、
 
ポリシー、および事務処理だけです。
 
 
 
この時点で会社は
 
もはや利益を生み出すことができません。
 

 
それは終わりを意味しています。
 
 
 
⑩死亡
会社の死は、ゆっくりと引き延ばされるプロセスであり、
 
数年かかる場合があります。
 
 
 
会社が
 
コストを賄うため必要な現金を
 
生み出せなくなると、
 
会社は規模を縮小して資産を売却し始めます。
 
 
 
誰もいなくなり、
 
オフィスの賃貸契約の有効期限が切れるまで、
 
人々は自ら去っていくか、解雇されていきます。
 
 
 
 
企業の「コーポレート・ライフサイクル・モデル」を
 
見てみると、
 
企業にとって大切なことは、
 
 
現在あるものの改善や改革ではなく、
 
新しい習慣を創造すること
 
 
であると言えるでしょう。
 
  
   
 
明日は、
 
「バイアウトという切り札」
 
というテーマでお話しします。
 
 
 
お楽しみに!
 
DXTコンサルティング
兼安暁(かねやす・さとる)でした。

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