ARスイミングゴーグルから広がるさまざまな産業への適用

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革新的な商品やサービスを生み出す可能性のある動き、いわゆるスタートアップを、スポーツテクノロジーの分野において非常に優れたものを持つFormが、このほど拡張現実(AR)対応した世界初となるスイミングゴーグルをリリースした。
さらに、このARスイミングゴーグルの性能を遺憾なく発揮するために、プールにシームレスなフィットネストラッキングも導入している。

このARスイミングゴーグルは、オリンピック水泳選手と一緒に開発されたもので、最大で深さ32フィートまで達するレンズが付いている。1つのレンズの側面にはFormのコンピューターを小さなブラックボックスに埋め込んで取り付けており、スイマーの動きをさまざまな角度から計測する。
スイマーが泳ぐ合計距離とストローク数から、合計カロリーとスプリットタイムを割り出す。
これらは、リアルタイムでのパフォーマンスメトリックの表示が可能だ。

さらに、ゴーグルのオンボードプロセッサーは加速度計のデータからストロークタイプを検出することもできる。
スイマーが体の向きを変えたり、休憩したりといったことにも注意できるため、泳いでいる間の動きをすべて把握することが可能になった。

ARスイミングゴーグルの汎用性を高めるため、機械学習を使用して複数レベルのスイマーから得たデータでソフトウェアをトレーニングしている。

現在のところ、ほとんどのAR事業者は、汎用的なアイウェアを開発・販売しようとしている。一方で、Formはスポーツ技術に特化している。このように特定の領域に焦点を当てることにより、そのARハードウェアはスポーツにとどまらず、さまざまな産業に適用可能なハードウェアとなる可能性を秘めている。

Formはスポーツ技術のスタートアップという考えにとらわれると、スポーツだけにとどまってしまう可能性があるが、そのスタートアップの実力を考えるに、さまざまな産業への適用は十分可能だと考えられる。
むしろ多くの産業で、いかにFormの作り出した新技術を適用するかを考えることの方が重要だろう。

さまざまなアプリケーションがある中で、ニッチなアプリケーションが実用的なARに適しており、しかも短期的に使用が可能になるかもしれないという条件を満たすものとなると、そうそう見つかるものではない。
そうなると、このARスイミングゴーグルがもたらしたデータとソフトウェアによる新しいARハードウェアは、スイミングやスポーツという枠を超えて活用すべきであり、そうできるものだといえる。

ニッチなゆえに使用範囲は限定的となることがほとんどの中、ニッチなアプリケーションでありながら、適用される範囲は多くの産業にまたがるとなれば、将来的にはさまざまな分野で新たな変化が起こるだろう。
いかに優れたアプリケーションでも実用的でなければ活用できず、意味がない。
ニッチなアプリケーションだからこそ可能なことも多いはずで、そうなれば今の常識は未来の非常識になるかもしれない。

参考:These AR swimming goggles can display multiple performance metrics while you swim.

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