生体信号によって動作するCRISPR制御ヒドロゲルの可能性

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遺伝子組み換え生物や遺伝病の治療に関する研究や論文などを読むと、CRISPRという言葉に接することが少なくない。
MITのバイオエンジニアであるジェームスコリンズが率いる研究者チームは、遺伝子編集ツールにおいて、新たなアプリケーションを適用できる運びとなった。
それはコマンドでシェイプシフトできるスマートマテリアルである。

研究チームではDNAヒドロゲルと呼ばれる、DNA鎖で結合された水で満たされたポリマーの変更を図ることを目指した。
DNAスニッピング酵素Cas12aを用いたことで、ポリマーの特性を変更することに成功したのだ。
Cas12aは特定のDNA配列を認識し、標的鎖を切断するようにプログラムされている。
ペイロードを放出するために形状を変更させたり、または完全に溶解できたりするCRISPR制御のヒドロゲルの構築に現在適用が行われている。
有効性を実証した研究チームでは、プログラムされた刺激に反応して酵素や薬物、ヒト細胞を放出できるように、これらのヒドロゲルを設計したのである。
つまり、遺伝子編集によりゲルを形状変化させ、スマートマテリアルに変換できるようになる。

 

CRISPRとはDNA生体分子が注入されたヒドロゲルが生体情報を材料特性の物理的および化学的変化に変換する目的で、生物におけるゲノム編集を可能とする技術だ。
体内で標的薬物を送達させるためのスマートセンサーは、長きにわたって医学者たちの議論のホットトピックだった。
パーソナライズされた予防ケアの分野において、医学に革命をもたらすと期待が持たれている。

今回、研究チームのCRISPR制御ハイドロゲルの研究成果により、革命的なビジョンがすぐにでも現実的なものになる可能性が出てきたのだ。
ジェームスコリンズは、「今やCRISPRの時代であり、生物学とバイオテクノロジーを融合させ引き継ぐことに成功した。」と述べている。
彼によれば、内部条件が整い、形状変化ヒドロゲルとそれと同様のCRISPR制御材料の常時監視を可能にできれば、近い将来、抗生物質による感染がシグナルとして表示されるようになるという。
感染の表示だけでなく、腫瘍が検出されれば、すぐに抗がん剤を放出できるようになるというのだ。

スマートバイオマテリアルは体内の防御ラインを助け、体を強化することを可能とするかもしれない。
スマートバイオマテリアルの進化は人間の健康を大幅に向上させ、ヘルスケアや病気予防、病気の治療方法にも革命をもたらすと期待できる。
CRISPRを用いてプログラムすることで、正確に制御できるCRISPR応答性ヒドロゲル材料が提示されたと研究者らは自信を持つ。
生体信号によって動作する知的材料は生物医学的な応用の範囲が広く、組織工学や生物電子工学、バイオセンシングなどへの応用への道が開かれると期待されており、今後の研究にますます重大なテーマとなると見込まれているのである。

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