DXTコンサルティングの
兼安 暁(かねやす・さとる)です。
さて、今日のお話しは、
「企業を苦しめDXを阻む3つの問題」
というテーマです。
3つの問題は、先日お話しした、
1 既存システムが事業環境に合わなくなっている
2 既存システムの再構築や改修が、とても難しい
3 既存システムを維持するだけでIT予算の8割が割かれてしまう
これらの問題を指しています。
今回は、各問題について
1つずつ考えていきましょう。
1 既存システムが事業環境に合わなくなっている
事業環境が目まぐるしく変わっていく現在では、
新しいニーズに対応して、新しいシステムを
既存システムに接続する必要が生じることが起こります。
また、
既存システムそのものに変更が必要とるケースも
常に発生するでしょう。
さらには、これまで不可能だったことが
技術的に可能になることによって、
既存の業務が不要になったり、
より良いサービスに昇華させたりする
ニーズも生まれてくるはずです。
例えば、IoTの技術を導入することで、
GEは航空機エンジンの各パーツの状態が
リアルタイムでシステムに
表示されるようになりました。
このシステムを導入した結果、
さらに長期間、そのデータが保存されることで、
故障の予兆を掴むことが可能になっています。
2 既存システムの再構築や改修が、とても難しい
既存システムを再構築したり改修したりすることは、
以下の理由で非常に困難になっています。
・現行仕様が分からない
・仕様は分かるが、なぜその仕様になっているのか
が分からないため、廃止や変更を加えて良いのか否かが
判断できない
こうした現象が起きるのは、
企業が成長するにしたがって
組織が大きくなり分業が進んだためです。
結果として、
全体像を理解している社員が
いなくなってしまったけかと言えます。
しかも、
システムを導入した当時の社員が
退職してしまった場合には混乱はより深まります。
3 既存システムを維持するだけで
IT予算の8割が割かれてしまう
DXレポートによると、
既存システムを維持するだけで
IT予算の8割が割かれていると言います。
運用・保守といった
システムの維持だけに予算のほとんどが
割かれている状態では、
当然ながら発展的な攻めのITに十分な
リソースを割くことはできません。
結果として、
多くの企業がDXを行うために
既存システムの再構築と
運用・保守コストの大幅削減から、
始める必要があるのです。
以上のように、
既存の事業のDXには、
既存のシステムが大きな足枷になります。
スタートアップ企業に比べると、
圧倒的にスピードが遅くなるという点は、
どうしようもありません。
次回は、
「DXを成功させたければ「捨て」なさい」
というテーマでお話しします。
お楽しみに!
DXTコンサルティング
兼安暁(かねやす・さとる)でした。
企業を苦しめDXを阻む3つの問題
