地球温暖化を加速させる二酸化炭素を変換させる技術が地球を救う?

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シドニー大学の科学者たちは、大気から二酸化炭素と水を捕捉し、これに2つの化合物を組み合わせることによって、炭化水素に変換できる人工光合成の方法を開発した。

光合成とは自然の樹木が二酸化炭素を取り込み、酸素に変える働きのことだが、この研究プロセスから生み出されたのがカーボン量子ドットで層の状態になったカーボンマイクロプレートで、これが光合成の機能を果たす。

カーボンマイクロプレートを構成するドットは、二酸化炭素と水の吸収を可能にする小さな細孔が含まれているのが最大の特徴だ。
現在のところ、チームの研究はナノレベルでのみ行われているが、より大規模に二酸化炭素を変換させるスケーラブルな触媒合成ソリューションとリアクター設計へと辿り着くことが、チームの最大の焦点である。
これらによって燃料や医薬品、農薬などの原料生産に二酸化炭素を活用したいと考えている。

 

地球温暖化の最大の要因は、化石燃料から排出される二酸化炭素であることは、今では誰もが知っている。
この二酸化炭素の排出によって南極や北極、さらには永久凍土といわれていたシベリアの氷までが溶け出している現状を把握しながらも、世界が一致団結して二酸化炭素の排出を抑制する方向へ向いているとはいえない。

特に、アメリカと中国という二大巨大排出国が揃って二酸化炭素の排出量削減に積極的に取り組まず、むしろどんどん排出して自国の経済を発展させようとしている今、科学者たちによって大気中から二酸化炭素を抽出する技術の研究をより加速化させる必要性に迫られているといえ、そのほうが現実的でもある。

二酸化炭素の回収技術そのものは10年前からすでに存在しているものの、地下の深いところに二酸化炭素を埋め込むという方法で、これには多くの費用がかかる。
さらに複雑な貯蔵技術が求められるとあって、この10年間に進んだ地球温暖化を考えると、ほぼ機能していないと断言してよいだろう。

現在進められている研究では自然の樹木が光合成を行う工程を採用しているため、より自然なプロセスで大気中から二酸化炭素を抽出できる可能性が高まった。
それだけでも地球に未来を与えてくれるが、さらに衣服や建設資材といった人間が生きていくために必要なあらゆるものの原材料の生成にも成功したのだから、この新しい原材料があれば生態系を壊すことなく物を生産できることになる。
クローズドループカーボンサイクルが大規模に採用されれば、大気中の二酸化炭素を減らしながら、大量に物を作ることを可能にする生産材料を確保できるのだから、気候の変動との戦いが可能になるだろう。

現在はまだ二酸化炭素の量が多いために気候変動による甚大な災害が発生し、家屋などが壊されているが、研究が進めば二酸化炭素が減っていくとともに、何にでも使える生産材料が手に入ることになるから、これで家を建て直すこと、失った衣服や家財道具などを再び取り戻すことができる。
シドニー大学の科学者だけでなく、世界中の科学者がその明晰な頭脳の力を合わせ、一刻も早く確かな技術と方法を確立して地球環境を元に戻してもらいたいものだ。

参考:Make like a leaf: Researchers developing method to convert carbon dioxide.

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