ドローンのようなロボットをスマートにコントロールできるように

Blog

SwarmTouchとは、人間とロボットの群れがコミュニケーションを取るための触覚的相互作用戦略をいう。
ロシアのスコルコボ科学技術研究所(Skoltech)の研究者は、ウェアラブルディスプレイと触覚フィードバックの技術進歩を活用し、人間とロボットの群れとの相互作用やコミュニケーションを強化しようとしている。
この方法がSwarmTouchと呼ばれるものだ。

人間のオペレーターが振動フィードバックを介して、ナノクワッドローター・ドローンの群れを形成させて、直接通信をしながら誘導することができるという。
オペレーターは異なる速度または異なる方向で手を動かすだけで、ドローン軍団のダイナミクスを変更して障害物にぶつからないようにすることができるのだ。

今回の実験における多くのケースは、ハードコーディングされて事前に決定されている現在のロボット群制御の方法とは対照的な結果をもたらした。
SwarmTouchを使用することで、オペレーターはドローン軍団のダイナミクスをリアルタイムで変更できるようになるという。
これにより、都心などの雑然とした複雑な環境であっても、ドローン軍団をスマートにナビゲーションできるようになると期待されている。

 

研究者は現在、SwarmTouchとその基盤となる技術の代替アプリケーションを研究、調査に取り組んでいる。
VRでもドローンの群れの反復でも、オペレーターの指にロボットを直接取り付けるところからスタートする。
Spatial Web(またはWeb 3.0)に入ると接続されたデバイスと部分的に自律的なロボットの群れのリモートコントロールが、タッチスクリーンとキーボードの制限を超えて広がるという。
触覚フィードバックと高度なセンサー、没入型インターフェースの使用により、検索や救助活動からラストマイルの高精度配信まで幅広い活用可能性が広がると期待されている。

現在、ドローンは人間が辿り着かない場所での映像撮影をはじめ、災害時に人間が入り込むことが困難な状態での災害状況の観察や山林で行方不明になった人の探索などにも活用されるようになっている。
もっとも、しばしば、途中での落下や制御不能が引き起こされたりしているのも事実だ。
特に都心部などの密集地帯では、ドローンの制御不能は人や建物を巻き込んだトラブルなどが問題となっている。

今回の研究開発が実用化されるように進歩を遂げていけば、よりドローンが身近な存在となり、1機だけでなく、集団的にコントロールして思いのままに動かせるようになるかもしれない。
その方法も現在のようなスキルや経験の蓄積によるノウハウを必要とせず、誰もが簡単にできるSwarmTouchのような操作性の高さは大きな進化をもたらすであろう。
人間の意のままに動いてくれる空を飛ぶロボットの活躍やさらなる有効活用の可能性に期待が高まっているのだ。
世界各地でドローンがさまざまな形で活用されていく中、新たな第一歩が始まった。

参考:SwarmTouch: A tactile interaction strategy for human-swarm communication.

タイトルとURLをコピーしました