MITの研究者が開発したペロブスカイト太陽光電池は、深刻な電源確保問題を解消するのに役立つ

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米マサチューセッツ工科大学の研究者たちは、太陽電池を組み込んだ特殊なセンサーを開発した。
このセンサーは、IoTと呼ばれるモノのインターネットへの電力供給が行えるものである。

従来の太陽光電池とは大きく異なり、自己給電によって、数年の間はセンシングデータを送信し続けることが可能となっている点が大きな特徴。
さらに、安いコストで製造できるペロブスカイト結晶を用いている点も、この太陽電池の特徴である。

従来型の太陽光電池は製造がとても難しく、コストもかかりすぎるため、用途が限られていたが、ペロブスカイト太陽光電池が登場したことで、コストを気にせずに気軽に導入できる可能性が出てきたのだ。
さらに、コストパフォーマンスがよいだけでなく、ペロブスカイトを用いた太陽電池は、非常に薄いフィルム状となっており透明にもなるので、あらゆるシーンで利用しやすいというメリットもある。

ペロブスカイトセルは、小さな無線周波数識別であるRFIDタグと組み込むことで、室内灯の長期間駆動や通信距離の拡大などが可能となると、米マサチューセッツ工科大学の研究者は発表しているのだ。

 

現時点において、モノのインターネットは世界中で利用が急増している。
2025年までに、センサーの利用は、750億を超えるとという予想もされているほどだ。
しかしながら、それほどの多くの需要があるにも関わらず、センサーへの電源確保がまだまだ追い付いていない状況となっている。

米マサチューセッツ工科大学の研究者が開発した新しい太陽光発電センサーは、次々に増えるセンサーへの電源の確保問題を解決するのに、大いに役に立つことだろう。
このペロブスカイトを用いた太陽光電池は、センサーの電源確保問題以外にも、使い道はいろいろとあり、将来性も多いに期待されている。
ペロブスカイト太陽光電池と複数のセンサーから同時にデータを収集する機能を備えた別のアプリケーションを用いることで、長期的なデータ収集も可能となるのだ。

このペロブスカイト太陽光電池を活用して、長期的にデータ収集が行えるようになれば、建物内の温度の監視にも利用できるし、土壌のモニタリングや建物のエネルギーなどにも、役立てることができるようになるだろう。
ペロブスカイト太陽光電池は、薄暗い室内であっても、照明から電力供給が可能なので、太陽光が届かない屋内であっても十分な動作が期待できるのが、他ほかの太陽光電池よりも優れている点なのだ。

さらに、このペロブスカイト太陽光電池は、深刻な汚染問題にも、活用できる可能性も秘めているのだ。
たとえば、人が立ち入りできないような危険な場所であっても、このペロブスカイト太陽光電池を使えば、安全に、かつ正確なデータ収集を行うことが可能となる。
この先、ペロブスカイト太陽光電池の開発改良がより進めば、農業や建築のほかに、地球環境問題の研究など、幅広いシーンで役に立つだろう。

参考:Photovoltaic-powered sensors for the ‘Internet of Things.’

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