DXTコンサルティングの
兼安 暁(かねやす・さとる)です。
さて、今日のお話は、
「DX向けシステム開発の要点:その1」
というテーマです。
DXには、
必ずシステムが必要になります。
システムと言っても、
今ある既存のシステムは、
DX推進の障害にあることも多く、
その既存システムを切り捨てることも
必要な時があります。
では、
DX向けシステムを新たに開発する際に
おさえておきたい、
システムの基本的な考え方と、
取り組み方について触れておきます。
2020年のいま、
システムは、
次の4つの種類に分類できます。
- 基幹システム
- サービス提供システム
- 分析系システム
- 完全自動制御システム
それぞれについて、
順を追って説明していきます。
1 基幹システム
古くからある業務システムを指します。
現在、基幹システムと呼ばれているものが
何に利用されているかというと・・・
会計システムや人事システム、
銀行の口座管理システム等、
取引の記録、集計、請求や支払などの
帳票印刷や振込みの自動化などです。
SAPなどの
ERP(Enterprise Resource Planning)も
ここに当てはまります。
このタイプのシステムは、
ジェフリー・ムーア氏の分類では、
SoR(System of Record)と呼ばれ、
取引を早く正確に記録することが
もっとも重要とされてきました。
システムの開発方法は、
ウォーターフォール型と言われており、
まず要件をしっかりと決め、
徐々に設計を詳細化していき、
プログラム開発とテストを経て
リリースするというステップです。
2 サービス提供システム
いま、消費者は、
感動を呼び起こしたり、
記憶に残ったりするような
つまり、
デザインやストーリー、得られる体験について、
お金を払ってでも得たいと
思うようになってきました。
こうした顧客の心に響く
「エンゲージメント」と呼ばれる
顧客接点・顧客とのやり取りが、
重要視されてきます。
そして、
そういった要望にマッチした
サービス提供システムが、
求められるようになっています。
技術的には、
クラウドとスマートフォンが中心のシステムであり、
2005年~2020年にかけて
様々な企業で採用されはじめています。
ここでは何よりも大切なことは、
顧客の体験
(CX:顧客体験、UX:ユーザー体験)で、
利用者にどう寄り添うかに
重点が置かれています。
つまり、消費者や従業員など、
システムを使う人間にとって直感的に使いやすく、
コミュニケーション、コーディネーション、
コラボレーション、
が促進されるシステムです。
このタイプのシステムを、
ジェフリー・ムーア氏は
SoE(System of Engagement)と呼んでいます。
システムの開発方法は、
一般的にはアジャイル型と言われており、
利用者の
心をつかんで離さないような使い勝手が
求められるために、
試作品を作ってはユーザーに使ってもらい、
改善点をすぐに反映して、
またユーザーに使ってもらう・・・
これを繰り返すことによって、
ユーザー体験を最大価値化するように
システムが開発されています。
明日は、
「DX向けシステム開発の要点:その2」
というテーマでお話しします。
お楽しみに!
DXTコンサルティング
兼安暁(かねやす・さとる)でした。