限界コストとDXの関係性

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DXTコンサルティングの
兼安 暁(かねやす・さとる)です。
  
 
 
 
さて、今日のお話は、
 
「限界コストとDXの関係性」
 
というテーマです。
 
    
   
 
昨日までにお伝えしてきた
 
以下の4種類のシステムの中で、
 
DXでもっとも重要なシステムはどれでしょうか?
 
 
 
1.基幹システム
 SoR(System of Record)
 
2.サービス提供システム
 SoE(System of Engagement)
 
3.分析系システム
 SoI(System of Intelligence)
 
4.完全自動制御システム
 SoA(System of Autonomous)
 
 
 
間違いなく競争の源泉になるのは、
 
1の基幹システム以外の
 
2~4のシステムでしょう。
 
 
 
しかしながら、
 
1の基幹システムがなくては、
 
ビジネスが成立しないケースが多いのも事実です。
 
 
 
したがって、
 
2~4に制約や負荷を与えない、
 
安価な基幹システムを用意できるかどうかも
 
重要になってきます。
 
 
 
DXの取り組みの結果、
 
新しく生まれたサービス提供システムから
 
現行の基幹システムが
 
タイムリーにデータを受け取り、
 
サービスが思い通りに完結するなら
 
そのままで良いでしょう。
 
 
 
 
万が一、
  
新しいサービス提供システムとの
 
接続が悪いようでしたら、
 
古い基幹システムは利用せず、
 
パッケージを活用したり、
 
新しい技術で簡易的に開発したりすることで、
 
安価にクイックに作った方が良いでしょう。
 
 
 
その理由は、
 
競争の源泉ではない基幹システムに、
 
多くの時間や費用を掛けるのは
 
好ましくないからです。
 
 
 
少し話題を変えますが、
 
2010年以降、
 
クラウドコンピューティングと
 
スマートフォンの「限界コスト」は、
 
限りなくゼロに近づいていることを
 
ご存知でしょうか?
 
 
 
限界コストとは、
 
生産量を1単位(最小単位)だけ
 
増やしたときの
 
総費用の増加分のことを指します。
 
 
 
「限界コスト」が
 
限りなくゼロに近づいていることは、
 
要するに
 
コストがゼロに近づいている
 
ということです。
   
   
  
どのような会社のサービスが、
 
該当するかというと、
 
Airbnb、Uber/Lift/Grab、
 
Instagram, Netflix, Spotify
 
などです。
 
 
これらの会社は、
 
技術的には、
 
2のサービス提供システム
(SoE:System of Engagement)
 
でビジネスを構築しています。
 
 
 
そして、注目すべきは、
 
これらの企業は、
 
実際の資産は
 
クラウド上で動作しているシステム、
 
 
つまり、 
 
ソフトウェアだけです。
  
 
 
消費者は、
 
そのシステムに、
 
自身のスマートフォンを使ってアクセスし、
 
サービスを利用するのです。
 
 
 
これらのサービスでは、
 
前述した通り、
 
クラウド上で動作しているため、
 
ユーザーが1人増えても、
 
登録された部屋や、登録車両が1つ増えても、
 
追加コストはほぼゼロです。
 
 
 
そうなると、いま、
  
DXで新たなサービスを始めるのに、
 
もっとも低コストでリスクが少ないのは、
 
2のサービス提供システムで
 
作り込んだサービスと言えるでしょう。
 
 
 
なぜなら、 
 
初期コストも抑えられている上に、
 
上述のように限界コストがゼロであるため、
 
どんなにユーザーが増えようとも
 
コストは増えないからです。
 
 
 
限界コストがゼロになるタイミングこそが、
 
その技術を利用したときに
 
利益を最大化できるタイミング
 
なのかもしれません。
 
 
 
とは言え、
 
将来の利益を最大化しようとしたときには、
 
別の視点があります。 
 
 
 
 
明日は、
 
「イノベーター理論から導入システムを考える」
 
というテーマでお話しします。
 
 
 
 
お楽しみに!
 
DXTコンサルティング
兼安暁(かねやす・さとる)でした。

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