世界的な実業家であるビル・ゲイツが新たに取り組む課題とは

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世界的に名を馳せる実業家であるビル・ゲイツが支援している、太陽光発電の新興企業であるヘリオジェン社が、太陽熱集中技術を発表した。

太陽熱集中技術は燃料を太陽からのカーボンフリー超高温熱に置き換えることができると見られている。
ビル・ゲイツ氏が支援するスタートアップ企業、ヘリオジェン社が開発したシステムは単一のターゲットで太陽光を反射するため、多数のミラーを調整するコンピュータービジョンソフトウェアで構成されている。
最大の熱を供給できるという。

ビル・ゲイツ氏によれば、1,000℃にも及ぶ高い熱量がセメントや鉄鋼、その他の材料の製造に使用されるような工業プロセスに必要だというのだ。
その生産は世界の化石燃料の5分の1を排出することになる。
もっとも、企業がヘリオジェン社が開発したシステムを完全購入した場合、その技術の恩恵により、2〜3年で投下資本の回収ができ、企業の化石燃料の排出を最大60%削減できると主張している。

 

現在、世界のエネルギー需要の4分の1、25%ほどが電力によって占められている。
ヘリオジェン社が開発した技術を用いるようになれば、産業の大規模なニーズに代替エネルギーを提供することができるようになる。
つまり、残りの75%の大部分に対処できるようになるというのだ。

自然エネルギーである太陽光は、そもそも無料で使える自然の恵である。
この単純な事実こそが、企業が効果的な集中太陽光発電に投資するために、大きな経済的インセンティブを提供することになろう。
日々の暮らしにおいて、どんなエネルギーを用いるかの決定は環境に大きな影響をもたらす。
企業が集中太陽光発電に投資すれば、ゼロエミッションの未来共有の追求はもちろんのこと、利益を得て貢献することに耐えられるようになるのだ。

重工業分野の企業はこれまで化石燃料だけに頼って高温を達成してきた。
だが、ヘリオジェン社のようなシステムを採用すれば、本質的に無料の資産である太陽光を利用して、長期的なエネルギー代替を提供できるようになるだろう。
つまり、化石燃料の使用を減らして有限資源の枯渇化を防ぐとともに、二酸化炭素排出量が少ない環境に優しい代替エネルギーへと大きく舵を切ることができる。
しかも、その代替エネルギーは基本的に無料なのだから、低コストで利益の追求に役立つのはもとより、環境に優しい企業としての認知度や信頼度も高めていくことができよう。

となれば、環境に優しい企業、将来性や安定的な継続性が認められる企業として認知されることで、株式に投資する人も増え、資金調達も容易になるわけだ。
投下資本の回収が円滑に進むとともに、さらに環境に優しいエネルギー対策に取り組むきっかけを与えてくれるに違いない。

世界規模での異常気象や海水温度の上昇、島の水没化など地球温暖化が深刻化する中、その歯止めとなって、業種を問わず、世界の企業が環境問題に寄り添う選択と事業運営ができる時代がくるかもしれない。
パソコンのOSで世界のスタンダードを築き上げたビル・ゲイツ氏が、今度は太陽光の分野で世界標準を築き上げようとしている。

参考:Bill Gates-backed solar startup announces major breakthrough.

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