グラフェンナノリボンでより強力なコンピューターや半導体を創る

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グラフェンナノリボンの開発と応用により、超強力なコンピューターの基礎を築ける期待が高まってきた。
材料科学者たちの共同研究や開発により、グラフェンナノリボンをシリコンウェーハの上に直接積層する方法を発見した。
グラフェンは炭素の単一原子が持つ厚さの層で構成されるもので、今現在、地球上にある最強の極薄材料とされている。

半導体チップにはシリコンのようなバンドギャップの大きな別の材料が使われてきた。
だが、グラフェンのようなナノカーボン材料を使えば、その構造や幅を変えるだけで、バンドギャップの大きな材料から小さな材料まで自在に製造できるようになる。

グラフェンナノリボンは熱伝導率とトランジスタ駆動電流の点でシリコンを上回る期待が持てるため、将来的にはグラフェンナノリボンは半導体製造の核となり、高性能なコンピューター製造に役立つと考えられる。
もっとも、グラフェンは非常に薄いスライスまたはリボンの形状であるため、極わずかな汚れでもついてしまうと、半導体の製造に影響を与え、満足のいく品質が確保できない。
そのため、研究者はシリコン上でグラフェンナノリボンを直接成長させることができず、グラフェンベースの集積回路への大規模な採用を阻んできたのだ。

ウィスコンシン大学マディソン校のアーノルドグループによると、研究チームはシリコン上にゲルマニウムの薄い層を最初に成長させ、次にこの薄いゲルマニウムの界面にグラフェンナノリボンを堆積させたと発表した。
最終的にはグラフェンナノリボンの半導体能力を維持しながら、グラフェンがシリコンと反応するのを防ぎ、従来の課題の解決につながると期待されている。

 

半導体の集積密度は1.5年ごとに2倍になるというムーアの法則に従うかたちで、1990年代から30年弱で、半導体産業は大きく成長を遂げてきた。
だが、過去のように大きく成長できる技術的根拠が乏しくなっており、これまでのような発展は期待できないとされている。
微細化が進められ、現時点では数10nmのサイズの半導体デバイスが実現しているが、これ以上進めると微細化による弊害が出るからだ。

このナノカーボン材料のグラフェンは超薄のため、少しでも汚れがついてしまうと、材料の特性に影響が出るのがネックだ。
大量生産しようとすれば、金属と半導体が混ざってしまい量産化に至っていない。
だが、新たな研究成果により、グラフェンリボンでさまざまな半導体デバイスを作れる可能性が期待できる。
さまざまな構造を持つグラフェンナノリボンを精密に設計・合成できるようになれば、次世代半導体など、広範囲にわたる応用展開への道を開き、新たな超高性能コンピューターの開発にもつながるだろう。

今回開発した手法を用いて均一な構造の各種グラフェンナノリボンの量産化技術が確立できれば、世界中の研究者がさまざまな応用展開研究の加速につながり、ムーアの法則を再現する半導体製造につながるかもしれないのだ。

参考:Graphene nanoribbons lay the groundwork for ultra-powerful computers.

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