量子テレポーテーションと実用化の可能性

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物理学者はコンピュータチップ間で、初めての量子テレポーテーションを達成したというニュースが流れた。
量子テレポーテーションとは、ブリストル大学の物理学者が率いる研究チームが初めて実証実験に成功したものだ。
2つのマイクロメートルスケールのシリコンチップ間で、情報の量子テレポーテーションに成功した。
データ転送において、通常のコンピュータで発生する電子の流れに依存する代わりとして、エンタングルメントとして知られる量子効果を使用したという。

量子効果の作用で、2つのコンピュータチップ間で情報を渡すことに成功した。
エンタングルメントでは、1つの粒子の状態はほかの粒子の状態と密接に結び付いている。
一方の粒子を測定すると、すぐに他方の粒子に関する情報が明らかになるというのだ。

エンタングルメントは物理的な電子接続なしでデバイス間にてデータをテレポートさせることや送信する効果的な方法であることが証明される結果が得られた。
研究チームは制御されたラボ環境に委ねられた状態のままで、最終的に91%の高い精度を誇る量子テレポーテーションを達成したという。

 

量子エンタングルメントは現状としては、まだよく理解されていない現象だ。
だが、コンピューティングの将来にとって有望で非常に重要なアプリケーションであると科学者の間では注目されている。

北京大学の科学者および研究の著者の1人であるJianwei Wang博士によれば、次のような期待が述べられている。
量子エンタングルメントの実用性の初期実証は、非常に強力なコンピュータの実用化はもちろんのこと、チップやプロセッサー、およびネットワークの新世代への道をすぐにでも切り開くことにつながるだろうとの見解を示した。

量子エンタングルメントは、2つのペアにされた量子が、それぞれどれだけ遠く離れていても光の速度を超えて一瞬で一定の情報を判断することができる。
だが、量子エンタングルメントのみでは、意味のある情報を遠く離れた相手に送ることはできないのが課題だった。
そこで考え出されたのが量子状態を送る量子テレポーテーションという、革新的なアイディアなのだ。

今後、量子テレポーテーションの技術が、量子レベルではなく、もっと大きな物質でも実現できるようになれば、これまでの通信手段や輸送方法に大きな変革をもたらすかもしれない。
中でも、量子テレポーテーションは情報通信処理に役立つと期待されている。
その1つが量子コンピュータであり、実用化には技術的な難問がまだ多く残されているものの、量子コンピュータ上に量子テレポーター装置を搭載することができれば、性能をいっそう飛躍できると期待されているのだ。

テレポーテーションというとSF漫画や映画の世界を思い浮かべる人も多く、現実にはあり得ない現象とイメージされてきたが、量子力学における量子の世界では、テレポーテーションは決して夢物語ではないのである。

参考:Physicists Just Achieved The First-Ever Quantum Teleportation Between Computer Chips.

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