カニエウェストが藻類染料で環境に配慮した新たなランナーシューズ

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カニエウェストがYeezyシリーズの新作として発表した靴は、見た目こそカーキ色のありふれたものであったが、染料に藻類を使い、環境に配慮したものとなっている。
この靴は、ニューヨーク市でFast Company社が主催したイノベーション祭りに出展された、ランナー向けのシューズである。

Yeezyはまた、その生産工場をワイオミング州の約1,600ヘクタールほどの農地に移転し、敷地内で染料の原料となる藻類を自ら育てることで、今後の新製品における更なる環境負荷の軽減に取り組もうとしている。

このような取り組みの背景には、Yeezyの親ブランドである、アディダスの意向も影響していると考えられる。
Yeezyはカニエウェストとアディダスのコラボ製品であるが、そのコラボの一端を担うアディダスでは、2024年までにすべての製品をリサイクルされたプラスチックから製造することを目標としている。
この取り組みの一環として、アディダスでは、すでに単一素材のみを用い、すべての材料をリサイクルすることができるFUTURECRAFT.LOOPという製品を発表済みである。

 

衣料産業がこのような取り組みを真剣に開始することには、大きな意味がある。
化学繊維や合成染料などの材料を多用する衣類産業は、実は石油産業に次いで最大の汚染源だからだ。

衣類産業が大きな汚染源になる理由の一つは、消費者が衣類をリサイクルせずに廃棄する傾向にある。
アメリカでは、平均すると重量にして年間約36kgもの使用済み衣類が、その多くがリサイクル可能であるにもかかわらず廃棄されて、埋め立て処分される。
有名ブランドは、流行の形成に大きな影響力を持つため、これらのブランドが科学の力を駆使して環境負荷を軽減し、そのような低負荷の商品の購入やリサイクル活動を推奨することで、消費者の自覚を促すことができるだろう。

このことから、Yeezyの移転は、環境に配慮し、責任を持つ靴の製造と新製品ができ次第すぐに廃棄してしまうライフスタイルの転換を促進する効果が見込める。

アメリカでは、トランプ大統領がパリ協定からの離脱を発表しているものの、カリフォルニア州など、州単位で協定に残存し、協定内容と同様の削減目標達成を掲げている自治体が数百単位で存在する。
企業が環境努力を示すことは、これらの自治体を支援し、パリ協定から正式に離脱した後のアメリカが、協定抜きでも引き続き環境へ努力した取り組みを継続することの後押しにもなるであろう。

また、協定による努力義務に縛られずに企業が自主的に環境配慮を進めることで、2020年か2024年、ポストトランプ時代に入った際には、当時のアメリカ大統領が予想していた経済的な損失が実は誤りであったことを実証することも可能かもしれない。

いずれにせよ、経済性と環境配慮を両立した持続可能な開発に向けて、たとえ政府が動かずとも、Yeezyをはじめとした企業や地方自治体は、着実に前に進んでいる。
消費者一人ひとりもこの流れに遅れず、日頃靴や衣類を買う際には、古い衣類をリサイクルやフリマに出すなど、捨てずに再利用する方法を考えてみてはいかがだろうか。

参考:Kanye West’s sustainable Yeezy concept uses algae foam.

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