人の心を読み取るBCIの技術とその行方、テレパシーが可能に?

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米軍が人間の心を読み取ろうとしているというニュースが飛び込んできた。
プルキットグローバーが率いるカーネギーメロンチームが、頭蓋骨の外側からの電気信号と超音波信号を検出できるという、非侵襲性の脳コンピュータインターフェース(BCI)を開発しているのだ。

カーネギーメロンチームは次世代非外科ニューロテクノロジープログラム(N³)と呼ばれる1億400万ドルのイニシアチブとして、国防高等研究計画庁(DARPA)から資金提供を受ける6チームの一つだ。
カーネギーメロンチームは磁気から赤外線や超音波など、さまざまな信号を軍事目的といて使用できるコマンドに変換するための取り組みを行っている。

N³ディレクターのアル・エモンディによれば、BCIを利用すれば、ドローンの群れを機械的なデバイスではなく、人間の思考の速度でコントロールできるようになるという。

 

人間の頭蓋骨の厚さは平均で1cm未満であるが、頭蓋骨の厚みはBCI開発者にとっては大きな障壁となっている。
侵略的BCIは麻痺した個人の動きを、信号を複製することで刺激し、電気神経活動を検出する埋め込み式のユタアレイを伴うケースが多い。

このアプローチ法は四肢麻痺に苦しむ方の生活のクオリティを改善してきたものの、健康な人が危険な移植手術を受けようとすることは想定できない。
そこで、手術を行うことなく、非侵襲的BCIを使用することができれば、シームレスで高速な制御を強力に実現できるというのだ。

DARPAのビジョンによれば、こうした機能を強化することで、軍事部隊はドローンなどの無人機を誘導し、互いに通信し合い、記録的な速度で情報を受信できるという。

頭蓋骨の外側からニューロンの20分の1ボルト程度と微弱な電気的インパルスを正確に検出するには、まだかなりの技術進歩が求められる。
とはいえ、DARPAのBCIターゲット投資は有望と見られている。

脳とコンピュータを繋ぐ場合には、BCI(Brain Computer Interface)は日本も含め、世界で注目されている技術の一つだ。
なぜ注目を集めているかといえば、21世紀に入ってから、欧米先進国が政府主導で脳情報技術分野に莫大な投資を行っていることが挙げられる。
特に米国は2013年にThe BRAIN Initiativeを立ち上げて、総額5,000億円以上の巨額投資を大学や民間に投入してきた。

米国では軍事目的などへの応用を意図しているが、日本を含むほかの先進国や中国においては、別の目的での活用が期待されている。
先進国や中国においては高齢化が進んでおり、いかに健康寿命を延ばすかや認知症などの脳疾患を予防するかが大きな課題となっている。

高齢化によってかさんでいる医療費や介護費用などの社会コストを軽減させるためにも、BCIなどの脳情報技術が社会に与える影響について考えるうえで、今回の研究が明らかになったことが、一つの刺激となるかもしれない。

参考:The US military is trying to read minds.

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